昨夜、13年前部活合宿で江戸川区の高校生の娘さんを亡くされたお母様がこれから教員になる学生さんへ命の授業の特集番組がありました。
このお母様は、つらい事故を乗り越え学校と和解する代わりに、再発防止に向けて今もその高校に関わっているといいます。和解しなくても、勝訴しても淡々とかかわれる理性が学校風土にあってほしいし、二度と愚かな部活のシゴキや認識不足を起こして欲しくないと、同じ江戸川区の母親としてハンカチを握りしめながら番組を見守りました。お嬢様のご冥福を改めてお祈り申し上げます。
さて、部活はもちろんのことですが、もっとあり得ない体育の授業にて、本年7月、都立高校で、下図のような、素人が見ても危険極まりない飛び込みを、よりによって体育教師の指導によりなされ、男子生徒が首の骨を折るという信じがたい「学校災害」が発生しました。
都立高の水泳授業で生徒が首骨折 教諭が飛び込み指示(東京新聞)
元気に送り出した我が子が、たった数秒の危険な愚かしい指導により、重大事故となるのは公教育現場ではあってはならないことです。
学校現場で発生した、部活や体育、体罰、食物アレルギー、地震などの災害…すべての「学校災害」にて子どもの命は奪われてはならないということを学校保健安全法26条で定めております。
子ども達が、過去から現在まで、学校という本来学びと育ちの場で命を落とし続けていることを皆様ご存じでしょうか?
→学校事故事例検索データベースをご覧くだされば一目瞭然です。
この問題をお姐は議員となってからライフワークとしてきましたので、まず平成26年第3回定例会一般質問にて、学校災害につき、学校保健安全法26条に基づいた安全対策をしているか質したところ、中央卸売市場長も歴任、現在メトロ代表取締役副社長、当時の比留間英人教育長は明言を避けましたので、再質問でようやく「先ほどご答弁申し上げました内容は、学校保健安全法26条に則した内容でございます。」弁明。ところが、僅か2年も絶たずにこのような事故が起こったのです。
よって、小池知事就任初ということでぜひ実態を知っ頂きたい!と10月の一般質問、続く11月の決算特別委員会で、東京都教育委員会に猛省を促すと同時に、再発防止の徹底の思いを込めて確認したところ…。
都の平成27年度、都立学校における体育活動に起因する事故は、162件で、部活動中が7割弱、体育授業が2割強、傷害種別では、骨折が高く、打撲、切り傷等の順となっており、都教育委員会は、事故報告を受けた後、当該校に対し、事故原因の究明や施設設備の瑕疵等の確認を指示。また、再発防止に向けた指導内容・方法及び安全管理体制の在り方等について指導・助言、年3回の全都立学校長連絡会等で、平成27年度発生の事故の状況や特徴的な事例について情報提供し、事故防止に向けて注意喚起をしているとのことだったのですが、結局平成28年7月に重大事故が起こってしまったわけです。
さらに、大阪の大規模組み立て体操事故を受けて、鳴り物入りで本年1月に設置された「体育的活動における安全対策検討委員会」がちゃんと機能していたのかどうか?!過去の私への答弁も整合の上、学校保健安全法に基づいていたかを畳みかけます。
教育長は
「水泳事故の対応状況と再発防止についてでございますが、今般、当該都立高等学校において、教員の不適切な指導により重大事故が発生したことは、まことにざんきにたえないことであり、当該生徒さんとご家族に対しまして、心からおわびを申し上げる次第でございます。今後、関係者の処分につきましても、厳正に対処していく考えであります。
都教育委員会は、この事故を受け、当該校に学校保健安全法等の法令に基づく安全対策の見直しを個別に指示するとともに、全都立高校には再発防止に向けた通知を発出し、校長連絡会等において再度周知徹底したところでございます。
また、今後、速やかに全ての校種を対象として、体育的活動における事故防止に関する研修を実施してまいります。
都教育委員会は、当該生徒さんの一日も早い回復を願い、当該生徒さんやご家族からの要望等を真摯に受けとめ、あらゆる支援に最大限努めてまいります。」
と、答弁をしました。何度も、いじめ・体罰・学校災害について質疑を重ねてきたお姐に、もはや具体的な重大事故を前に所謂「役人答弁」は許されないと判断したか、あるいは小池知事となり都庁の風土が変わったのか、当該生徒とご家族への思いや再発防止の熱意が感じられるものとなっております。
そして、体育教師なら通常心得ているであろう、当たり前といえば当たり前の内容ではありますが、事案を受けて以下通達が出て早速対策が講じられたことも、何かとガッカリさせられることの多い、教育庁におけるせめてもの救いでありましょうか。
当該生徒さんの一日も早い回復を心よりお祈りいたします。
【お姐総括】
子どもの命や健康が最も奪われてはいけない場所、それは学校!
事故がおこったら、信頼できる相談機関や相談者へ!不安な時はお姐へ連絡を!
医療現場でも、過誤により命や健康が奪われてはなりません。医療安全問題は次回につづきます。
☆お姐、医療安全・学校安全を徹底監視し都民の命と健康をワイルドに守れ!☆
上田令子 プロフィール