新任リーダー必見!任命されて留意すべきたった1つのこと

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写真はインタビューを受ける室井氏。

いま、企業で求められるリーダー像とはなにか。一般的にリーダーと聞くと体育会系の猛禽類のような姿を思い浮かべることが多い。いわゆる肉食系リーダーとよばれる層だ。一方で、最近は穏やかな草食系リーダーとよばれる層もいる。少々前に話題にもなった「トップリーダー」とよばれる層もいる。

スタイルは様々だがリーダーには求められる共通の要件があるようだ。リクルート等を経て独立しリーダー育成などを手がけている、室井俊男(以下、室井氏)はリーダーに必要とされる要件について次のように語っている。

■あなたは任命された際に覚悟できるか

――「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり」。「平敦盛」を討ち取って出家した熊谷直実の言葉だが、織田信長が好んで使ったこともよく知られている。「人生は五十年しかないのだから、決死の覚悟で思い切ってやろう」と解することができる。

「是非に及ばず。天下統一への覇道を進む中で、ここぞと行動を起こすときに。また、本能寺の変にて謀反の相手が腹心の明智光秀と聞いたときにも、この言葉を発したと言われています。この言葉には『仕方がない、どうしようもない、やむをえない』など、どちらかといえば諦めた感覚に近い印象があります。」(室井氏)

「しかし、とり囲む明智軍に対してひるまずに弓を引いて応戦しているところから、即座に自分の心を切り替えて『覚悟』するために発したと私は考えています。」(同)

――私たちが、織田信長から学べるリーダーの要件とはなんだろうか。

「まずは、リーダーという職責を覚悟して受け止めることです。その『覚悟』が必要です。あなたはリーダー職を拝命するにあたり『覚悟』をしたでしょうか。リーダーという立場はメンバーが身近であるがゆえ、メンバーの延長線上にあると思いがちです。しかし、それは間違いです。」(室井氏)

「少人数とはいえ、実際に現場で動いている小集団をまとめるのがリーダーの役目です。そのリーダーが、メンバーの延長という意識で務まらないことは明白でしょう。」(同)

――しかし、リーダーが強権的だと周囲から高圧的に見えてしまうことが多い。たまに、リーダーシップを、強権的なやり方だと考えている人がいるが、それは間違いである。

「戦場を例にとりましょう。リーダーの指示一つでチーム全員の生き死にが決まります。メンバーの状況を見ずに、上からの指示をそのまま流してしまえば、情報の徹底もできなければメンバーの士気も下げてしまいます。逆にメンバーの顔色ばかりうかがっていても任務の遂行はできません。」(室井氏)

「リーダーの振る舞い一つで、チームの状況は変容し成果も著しく変わってしまいます。心して任務にあたらなければいけません。」(同)

■リーダーは孤独であることを理解する

――また、リーダーになったら、メンバーと同じ目線で仲良くする意識を捨てる覚悟が必要である。今まで一緒に会社や上司の愚痴を言っていた仲間も、あなたがリーダーになれば、あなたの悪口や批判で盛りあがるようになるものだ。

「メンバーはいざとなれば、あなたと一線を引いてくるのです。『割に合わない。孤独だ』などと言っても仕方がありません。あなたはリーダーなのです。中間管理職なら、メンバーと上司の板挟みになるような場面も多いでしょう。それでもリーダーとして即座に判断し、決断をしなければなりません。」(室井氏)

「そして成果を上げるべく、チームを同じ方向に動かしていかなければいけません。今までは、上司や会社の方針に文句を言っていた場面もあったかもしれません。しかし、リーダーであるあなたは、それをしてはいけないのです。」(同)

万が一、方針に納得できないときは、心のベクトルを切り替えて、納得できないのはどのような視点や情報が自らに足りないのかをとことん考えなくてはいけない。戦国時代なら「人間五十年」。人生は長いようで短い。悩んでいると時間が過ぎ去ってしまうのだ。「覚悟」をあなたの心に刻まなくてはいけない。

参考書籍
部下がついてくる、動いてくれる リーダーの教科書』(明日香出版社)

尾藤克之
コラムニスト

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