意外に高い子供が不登校になる確率とリスク管理法

2017年01月19日 06:00

不安 ひきこもり 写真AC

日本人で不登校という言葉を聞いたことがない方はいないだろう。誰もがテレビや新聞で聞いたことがあるはずだ。そして、誰もが「自分の子供には関係ないはずだ」と思っているのである。しかし、驚くべきことに不登校になるリスクは交通事故や火事に遭う確率よりもはるかに高いのである。

中学生の不登校の割合は2.76%である。(文科省調査)実際には保健室登校の生徒や別室登校の生徒がいるのでその数は増える。一方、1年間で交通事故に遭う確率は0.53%(警察庁調査)。また、1年間で火事に遭う確率は0.024%である(消防庁調査)。不登校になる確率は交通事故や火事よりもはるかに高いと言えるだろう。

もちろん、交通事故や火事は生涯ついてまわるリスクであるが、不登校は学生のうちだけだという意見もあると思う。しかし、大学生、社会人となっても挫折してひきこもりになるリスクも継続してあるのである。ちなみに、最近は大学生の不登校が増えている。

子供が不登校になった時には「まさかうちの子が不登校になるとは思わなかった」という親の反応が非常に多い。実際、不登校になる子は成績が良く、友達付き合いも良く、運動も出来てという子も多くいるからである。まさかへの備えが出来ていない家庭は非常事態に対して極めて脆弱である。親がパニックになってしまい問題をよりこじらせてしまったり、親が意気消沈してしまい鬱の一歩手前というふうに問題を大きくしてしまうことも多い。

ここは覚えておくべきことだが、不登校は現代の教育環境では誰もなる可能性がある。現代のビジネス環境では誰もが会社を辞めざるを得ない可能性があるのと同じである。なので、リスク管理の1つとして不登校に関してもしっかりと考えておく必要があると言える。

では、どうすれば不登校のリスクを管理出来るのか?

まず1つは、上記にあげた誰もが不登校になるリスクがあるということを自覚することである。上記の数字をもう1度考えてみてほしい。不登校がさして特別なことではないとわかっていると子供が不登校になったとしても落ち着いて対処をすることができる。そして、その落ち着きは子供にも伝わり、子供も冷静になれるのである。

2つめは、不登校に対して偏見を持たないことである。勉強は学校以外でも出来るし、集団行動に関しても学校以外でも学ぶことが出来る。そう自覚することで心の余裕ができ、いざ不登校になった時に慌てないで済むのである。

3つめは、能力があることと自信や自己肯定感があることは全く別であるということを理解することである。つまり、勉強が出来たり、友達が多かったり、スポーツが良く出来たりするからといって、子供に自信と自己肯定感があるわけではないのである。自信や自己肯定感が無いと、物事がうまく進まなくなったときに弱く、そうした自分を受け入れることが出来ず、現実逃避をすることになる。
親は子供の能力を伸ばすことには熱心であるが、子供の自信や自己肯定感を伸ばす方法は知らない。我々はそのような教育を受けてきていないし、親も子育てについて誰かに教わったわけではないからである。

では、どのようにすれば子供の自信や自己肯定感を育てることが出来るのであろうか?まずは子供の良いところを見つけ、褒めることである。そんなことかと思う人も多いと思うが多くの親は自分自身さえも長所を見つけ、励ますということが苦手である。子供が絶不調で良い所が見つからないという場合においてすら子供の良いところを見つけて励ますのが頼りになる親である。これは日頃から研鑽を積んでいないとできない。1日1つはほめて、毎日ノートに記録していくことがおススメである。

次に、過保護や過干渉になっていないかをチェックしてみることである。過保護や過干渉は子供の自信と自己肯定感を奪う最大の敵である。過保護も過干渉も子供に失敗する機会を与えず、子供の”ありのまま”を認めていないからである。どうしても過保護や過干渉は自分では判断できないので、自分以外の人の意見を謙虚に聞くことが大事だ。自分の身の回りの人間であれば誰でも良いので聞いてみてほしい。

この2つをやることは言葉で説明するのは非常に簡単だが、実行するのは非常に難しいことだ。「学校や塾に任せきりでは子供は育たない。親が責任を持って家庭内で子供を教育していくことが重要だ」と親が自覚することから不登校のリスク管理は始まるのである。ぜひ、夫婦で一度真剣に話し合ってもらいたい。

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早野智則
高校を中退後、大学入学資格検定を取得。早稲田大学法学部卒。東証一部経営コンサルティング会社を経て、不登校支援のFCファナッチを創業。家庭教師と訪問カウンセリング、不登校の予防活動をしている。

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