【更新】豊洲移転は築地を使うよりはるかに安上がりだ

2017年01月28日 16:29

キャプチャ1

おときたさんの記事はおおむね正確だが、細かい話が多くてわかりにくいので、ポイントだけ書く。日経まで「豊洲経費、築地の4倍 年98億円の赤字に」と報じているが、彼もいうようにこれは誤りだ。築地と比較するときは、豊洲の減価償却費はサンクコストなので無視すべきなのだ。

この図は東京都の市場問題プロジェクトチームによる豊洲の採算の試算だ。もとの図はごちゃごちゃしていてわかりにくいので豊洲だけ切り取ると、初年度に予定される収益が68億円。費用166億円のうち減価償却が71億円だが、これはすでに発生した固定費(サンクコスト)5884億円のうち、償却資産のコストを分割して繰り入れている帳簿上の費用なので、無視してよい。

減価償却を無視してキャッシュフローでみると、図のように毎年の費用は95億円だから、収益68億円から差し引いて毎年27億円の赤字になる。それは使用料を値上げすればいいだけだが、重要なのは日経の記事も書いているように、築地の跡地を売却すれば4386億円で売れると見込まれることだ。これを建設費5884億円から引くと、固定費は約1500億円に圧縮できる。

この売却代金4386億円を耐用年数50年で割ると1年あたり87億円の利益だから、60億円の黒字だ。移転しないと築地の売却代金が入ってこないので、大幅な赤字になる。要するに減価償却を無視して土地売却益を考えれば、豊洲に移転することがはるかに安上がりなのだ。移転が2年延期されると収益がゼロになり、136億円の機会費用が発生する。

追記:計算が一部間違っていたので修正した。土地の売却益を含めたキャッシュフローでみると、今後は大幅な黒字。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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