トランプ米大統領、ホワイトハウス年次記者晩餐会を欠席へ

2017年02月27日 09:00

ホワイトハウス年次記者晩餐会と言えば、4月恒例イベントで歴代の大統領がジョークの技を披露し全米を沸かせてきました。

選挙中のイベントでジョークの独壇場を振りまいてくれた実績もあり、トランプ米大統領の誕生でどんなキレ味を魅せてくれるかと思いきや・・トランプ氏は早々と4月29日に予定される一大イベントに欠席を表明してしまったのです。レーガン米大統領(当時)以来、36年ぶりとなります。しかし、レーガン氏は同年3月30日に発生した暗殺未遂事件で病床に伏していたため不可抗力での参加見送りでした。出席こそ叶いませんでしたが、電話で参加し「誰かが早く車に乗れと指示したなら、そうしなきゃいけないよ」と茶目っ気たっぷりにジョークを放ったことは伝説と化しています。

メディアを介さず、お得意のツイッターでアナウンス。

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(出所:Twitter

トランプ氏と言えば、オバマ政権でのホワイトハウス年次記者晩餐会でのヘビロテでした。オバマ前米大統領の出生証明書の公表を執拗に迫り2011年のホワイトハウス年次記者晩餐会ではそれをもじってオバマ氏が映画”ライオン・キング”を自身の出生ビデオと称して披露し、笑いの渦に巻き込んだものです。その翌日、ビン・ラディン容疑者殺害に至ったことは忘れられません。トランプ氏は2012年にオバマ氏の笑いのターゲットとなり、2016年も餌食にされてしまいました。当時、オバマ前米大統領の脳裏にトランプ氏の勝利が微塵もなかったことが伺い知れますね。

話を現代に戻して。

既存メディアのCNNやMSNBC、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙を偽ニュースと批判し、記者会見の場では堂々と一連のメディアを公然と無視し続けてきたトランプ政権ですから、ホワイトハウス年次記者晩餐会の欠席は予想通りの展開とも言えます。安倍首相との共同記者会見でも地方紙に他ならないニューヨーク・ポスト紙の質問から応じたほかフォックス・ニュースを選ぶなど、ニューズ・コープ傘下のメディアにとどめていました。英フィナンシャル・タイムズ紙が報じたように、ニューズコープ率いるルパート・マードック氏との関係性の強さを示すものでもあります。スティーブ・バノン首席戦略官がかつて会長を務めたブライトバートも厚遇を受けるメディアであり、そのほか保守派メディアがトランプ政権で脚光を浴びるケースが多い。例えばイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見ではクリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワークとタウンホール、カナダのトルドー首相との記者会見では米大統領選挙中にトランプ氏に好意的だったWJLA、ザ・デイリー・コーラーなど保守系が並びます。

こうした事情から既存の大手メディアのCNNやMSNBCは、ホワイトハウス年次記者晩餐会の出席を見送る可能性が取り沙汰されていました。CNNからしてみれば、娘婿のクシュナー特別顧問が親会社のタイムワーナー幹部をホワイトハウスに呼びつけ報道のあり方について不満をぶつけたとあって、余計に鬱憤が溜まっていたことでしょう。

28日の議会演説の報道をめぐり、これでまた二極化するリスクが台頭してきました。しかもトランプ米大統領が支持者にツイッターでラリーを呼びかけ、民主党陣営はイスラム系移民やドリーマーを議会のゲストとして招き演説中の米大統領を挑発する見通しなだけに、28日はワシントンD.C.だけでなく全米が揺れるに違いありません。マーケットのボラティリティも、遂に上昇する日がやって来るのではないでしょうか。ちなみに、トランプ米大統領に対し反対演説を行うのは民主党のスティーブ・ベッシャー前ケンタッキー州知事、スペイン語版担当はドリーマーであり移民活動家のアストリッド・シルバ氏です。72歳のベテランで白人男性と、28歳でトランプ政権と通商政策や国境間の壁建設をめぐり対立中であるメキシコ出身の女性を引っ張りバランスを取りました。

(カバー写真:)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年2月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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