大方の国民が不審の念を抱いている時には、国会として国民の不信を解くぐらいのことはしなければならないと思う。
森友学園に対する国有地払い下げの件についての国民の不信の感は高まる一方だと思う。
一番いけないのは、近畿財務局だ。
国有地払い下げに関する大事な書類を払い下げ後に廃棄処分してしまってどこにも残っていない、関係した職員に対しての特別のヒヤリングも特別の調査もしていないらしい、ということを聞いて驚いている。
如何に総理夫人が名誉校長を務める予定だったからと言って、学校設立の認可が下りないうちにどんどん借地権設定の手続きや払い下げの手続きまでやってしまっている。
大阪府と近畿財務局の事務担当者が綿密な協議を進め、今年4月の開校に間に合わせるために森友学園に異例の便宜を図っていることが明らかだ。
民間の一学校法人に対してここまで国が特別の便宜を図っているというのは、どうしても解せない。
会計検査院でなくても不審の念を抱くのは、当然だ。
事情を一番知っているのは、森友学園の籠池理事長のはずである。
籠池氏であれば、遠慮なく本当のことを話してくれるはずだと思っている。
官邸は籠池氏の参考人招致にずいぶん消極的なようだが、そういうことを続けていると如何にも隠し事をしているような印象が強くなる。
いずれは国会に参考人として招致される可能性が濃厚なのだから、こういう場合は同じことならさっさとやるのがいい。
ご本人は国会で本当のことを喋ることを決して嫌がらないだろうな、と思う人がもう一人いる。
参議院議員の鴻池氏である。
痛くもない腹をいつまでも探られたくないだろうから、鴻池さんは参考人として呼ばれれば絶対に逃げないはずである。
逃げれば、追いかける。
隠せば、隠れ蓑をみんなで剥ぎ取ろうとする。
そういうものである。
大方の国民は、早く真相を知りたいはずだ。
真相を知らせたくない人が、大体は隠し事をするものだ、とみんなが思っていることをよくよく考えておかれた方がいい。この問題は、長引けば長引くだけ傷が大きくなりそうである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。