築地を「文化財」としてどう残すか

2017年03月08日 09:48

きのうは宇佐見典也さんと一緒に築地市場を見学したが、動画を見ればわかるように、豊洲の問題は単純である。

  1. 魚は店頭に転がされており、客がさわることもできる。100メートルぐらい近くを国道が通っており、排気ガスにさらされている。平屋の木造家屋が多く、火事が起こったら全焼するだろう。今にも崩れそうな廃屋もあり、大地震が来たら大きな被害が出る。したがって明らかに、豊洲より築地のほうが危険で不潔である
  2. 手続き論としても宇佐美さんの記事で指摘しているように、2014年12月に舛添知事が「[地下水のモニタリングは]それがなければ開けないというマストの条件ではありませんけれどやったということ。私はこれで十分安全であると、ですから市場を開設します」と安全宣言した。モニタリングは都が(市場開設後も)念のためにやるもので、豊洲移転の条件ではない。
  3. 豊洲の建設費6000億円は回収できないが、移転して築地の跡地を売却すれば4300億円で売れるので、正味のサンクコストは1700億円である。都市再開発の観点からも、都心のビジネス街に魚市場を置いておくことは好ましくない。

要するに、安全性でみても法的にみても経済的にみても、豊洲に移転すべきであることは明らかだ。百条委員会は、石原氏を吊し上げて小池知事が「正義の味方」を演じる政治ショーにすぎない。豊洲の建設費が高すぎるという「都政のドン」の疑惑などは、追及したければ好きなようにやればいいが、移転はそれと切り離して進めるべきだ。

残された問題は、都内でもっとも人気の観光スポットである築地市場の「アジア的」な魅力をどうやって残すかということだ。これは文化財の保存事業だから、都庁の生活文化局が考えるべき問題かもしれない。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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