不動産投資は「やったことの無い人」にはわからない

昨日は週刊住宅新聞社主催の不動産投資セミナーが東京国際フォーラムで開催され(写真)、講師として登壇しました。これからはじめる人に失敗の可能性を最小化する不動産投資の方法についてお話ししました。

アパートの空室問題や、サブリースの保証家賃見直しに伴う訴訟問題などがクローズアップされ、最近は不動産投資にネガティブなイメージが広がっています。不動産投資にはリスクがあるのは当然ですが、「不動産投資=危険」と短絡的に考える人が多いのは残念です。

例えば、日本全体の貸家の空室率は、30%を超える高水準で賃貸用不動産は供給過剰状態です。しかし、都心の中古ワンルームの場合、私が管理をお願いしている会社は空室率は2%以下に抑えられています。実質的にはほぼ満室と言って良いでしょう。自分で保有している物件も空室に対する心配はありません。空室問題は立地を間違えなければ心配はないのです。

また、諸費用や税金などのコストについても、イメージだけで高いと思い込んでいる人がいます。家賃収入から修繕積立金、管理組合費用、管理費の3点セットを差し引いて、実際の手取り金額をベースに利回り計算する。また固定資産税、退去時の改装費用、エアコンや給湯器が壊れた場合の交換費用等の毎月発生しないコストもありますが、これらもシミュレーションすることができます。逆に、契約更新時には更新料収入の一部がプラスの収入になります。複雑な仕組みですが、自分で保有してみれば納得できます。

さらに、経年劣化で家賃や物件価格が下落することを懸念している人も多いようです。しかし、立地によっては建物の築年数と逆行して家賃が上昇するケースも見られます。また、東京の都心部で30年前、40年前に販売されたマンションの価格を調べてみると、購入時より上昇しているものの多いのです。不動産は建物だけではなく、土地の価値によっても評価される。長期保有した人が実感する不動産投資の基本です。

不動産投資のネガティブな面を強調する人は、自分で不動産投資を「やったことが無い人」であるケースが多いのです。逆に、中古ワンルームのオーナーが集まって開催する「A氏の会」のような「やっている人」の集まりでは、次に何を買うかというポジティブな話ばかりで盛り上がります。

やったことも無いのに否定ばかりしている人と、さっさと始めて仲間を作り人生を変えていく人。どちらが幸せな未来かは明らかです。

確かに不動産投資にはリスクがあるのも事実です。しかし、リスクを取らなければリターンは得られません。問題は、リスクが自分のコントロールできる範囲にあるかどうかです。

トランプ政権の発足により、世界の株式や為替のマーケットの不安定性はさらに高まっているように思います。どこでリスクを取るのかは投資家の自由ですが、資産運用においても食わず嫌いはやめた方が良いと思います。

4月8日に国内の不動産投資に関するセミナーをお昼の部(究極のポートフォリオセミナー)夜の部(体験者セミナー)の2部制で開催します。やったことが無いのに不動産投資にネガティブなイメージを持っている人は、ぜひ参加してみてください。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年3月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。