民進党が遊んでいても政治は回るか

2017年03月27日 21:28


森友問題は「辻元清美が塚本幼稚園に侵入した」という話をめぐって混乱し、さらに訳のわからない展開になってきた。民進党はニコニコ超会議に、VR蓮舫というゲームを出品するらしいが、「一体、こんなところで遊んでいる暇がどこにあるというのか教えてください」というセリフはブラックユーモアだろうか。

民進党がこうして遊んでいても、今は大した害はない。予算委員会で予算が修正された前例はなく、森友騒ぎで成立しなかった60本近い法案も、会期末までには(大事な法案は)何とかなるだろう。野党なんて、いてもいなくても同じなのだ。

自民党は英米型の「政党」ではなく、各官庁の権力分立を補完する「幕府」のような存在だ。これはアメリカのような三権分立とは違い、国会は「立法府」ではなく、議員は法案提出前の事前審査で個別利害を政策に反映させるロビイストである。

国対委員長会談で法案の優先順位が決まり、議院運営委員会で審議日程が決まる。内閣は国会審議をコントロールできないので、自民党は政調会や総務会で事前審査を行ない、審議を党内で前倒しでやってしまう。だから法案や予算案が国会に出てからやることは何もない。

ヨーロッパの議会は、国王と封建領主の対立の中で、領主が立法によって国王(行政)を拘束する機関としてできた。日本にはそういう対立がなかったので立法府がなく、幕府が行政を一元的に処理したが、利害対立を調整するために稟議ができた。そこでは官僚機構のボトムアップで意思決定が行なわれ、天皇の意思は忖度されるだけだった。

このような稟議による日本型共和制には、最終決定者がいない。それは平時に多くの利害関係者を調整するシステムなので、有事に弱い。大日本帝国が勝算のない戦争に追い込まれたのは、政府と議会が対立して軍部をコントロールできなかったからだ。今は逆に朝鮮半島で紛争が起こったとき「それは戦闘か武力衝突か」という神学論争で時間が浪費されるおそれが強い。いつまでも「政治ごっこ」は続けていられないのだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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