やはり、森友学園に売却された国有地の値段は安すぎる

2017年03月29日 06:00

国有地​「8億値引き」は法律違反の可能性も

財政法9条には以下のような規定がある。

「国の財産は、(中略)適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。」

森友学園問題の最大の疑惑は、国有地が不当に安く払い下げられたのではないかということだ。私は、当初から財政法9条違反にあたる可能性に注目して国会で取り上げてきたが、安倍総理や財務省の理財局長は「法令に基づく適正な手続」と繰り返すばかりで、未だに納得できる説明はない。

さらに最近になって、与党議員は、隣地の販売価格との比較表を出して、森友学園への売却価格が安すぎることはないと主張している。しかし、この比較表は、森友学園に対する8億円を超える値引きの根拠を説明する資料としては説得力を欠いている。

自民党が証人喚問で示したパネル(衆議院インターネット審議中継より)

基本的な数字を改めて以下に整理した。

まず、森友学園に売却された国有地(8770㎡)の売却価格は、不動産鑑定士が9.6億円と鑑定したが、新たに見つかった生活ごみ等の撤去費用として8.2億円を差し引いて、1.3億円とされた。

これに対して、隣接する国有地(9492㎡)は、豊中市に防災公園用地として売却され、その値段は14.2億円であった。ただし、この公園用地の購入を支援するため、国から豊中市に対して7.1億円の補助金と、6.9億円の交付金が出たため、豊中市の実質負担は0.2億円となった。

※なお、売却後に鉛等の埋設物が見つかったため、豊中市が撤去し、その撤去費用0.2億円が、後で国から豊中市に支払われている。

こうした事実をとらえて、与党側は、森友学園に売却された土地の価格1.3億円が、公園用地の豊中市の負担額0.2億円と比較して、特に安いわけではないと主張している。しかし、この主張は正しくない。

ポイントは「負担額」ではなく「売却価格」

なぜなら、補助金等で豊中市の負担額が下がったからといって、土地の売却代金自体が14.2億円から0.2億円に下がったわけではないからである。

一方、森友学園に売却された土地は、新たなゴミが発見されたことで、売買価格そのものが1.3億円に引き下げられた。公園用地の売却価格14.2億円と比較して10分の1以下で、安さが際立つ。

なお、公園用地の取得のための補助金7.1億円は、その南側に住宅密集地域があるため、地震が発生した際などに住民が避難できるよう防災公園を整備する国交省の補助金(住宅市街地総合整備事業国庫補助金)である。

さらに、当時はリーマンショックによって地方の財政状況が悪化しており、上記補助金の地方負担分に充てるための内閣府の交付金(地域活性化・公共投資臨時交付金)も6.9億円出されている。

ちなみに、これらの補助金及び交付金は、いずれも麻生政権下の2009年度第一補正予算で措置されたものである。実際、民主党政権が誕生する前の9月3日、豊中市議会9月定例会に提案された補正予算案の中に、すでに、これら補助金・交付金が土地取得財源として計上されている。

他が「後払い」の中で森友学園への「値引き」は異質

次に、豊中市が給食センター用地として新関空会社から7.7億円で購入した7210㎡の土地についても、購入後に埋設物が出てきて、その撤去費用に14.3億円かかっている。これと比較して、8.2億円の撤去費用は妥当だと主張している。

しかし、この反論も説得力を欠く。まず、この給食センター用地は、先に述べた防災公園用地とは異なり、森友学園に売却した土地から遠く3km以上離れており、同じ性質の土地として比較することが、そもそも適切ではない。 

また、給食センター用地から出てきた埋設物の中心は、発がん性があるアスベストを含むスレート板などであり、森友学園に売却した土地から出てきたマヨネーズの容器やサンダルといった「生活ごみ」とは質的に異なる。 

このように、給食センター用地の事例と比較してもなお、森友学園に売却された土地の価格が破格の安値であったことは否定できない。

さらに、公園用地と給食センター用地のケースに共通するのは、埋設物の撤去等が必要になった場合に、買い受けた側がまずは費用負担し、それを後に売主に請求する「後払い」の形を取っている。しかし、森友学園に売却した土地については、費用請求ではなく、最初から土地の値段を引き下げる「値引き」の形をとっている。こうしたやり方自体が極めて異例である。

以上を踏まえると、やはり、森友学園への国有地の売却価格は安すぎると言わざるを得ない。財務省、国土交通省は、8.2億円の値引きの根拠を、証拠書類とともに、明確に説明すべきだ。学校設置認可が取り下げられたからといって、値引きに至る経緯をうやむやにしてはならない。


編集部より:この記事は、衆議院議員・玉木雄一郎氏の公式ブログ 2017年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。

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