ドワンゴ川上会長「子どもの不幸を考えると気が狂いそうになる」

2017年04月15日 06:00

前回の「ドワンゴ川上会長 経営として非合理的でも家庭を持ってもらう」に引き続き、株式会社ドワンゴの川上会長とフローレンス代表理事駒崎弘樹の対談をお送りします!

子どもの幸せを願うのは動物的な本能

-駒崎
今後ご自身のお子さんにどのような社会を残していきたいか、またはどんな子どもになっていってほしいと思いますか?

-川上会長
ネットで若い子たちの言動を見ると、親が子どものことを操作しようとしたり、こういう子どもになってほしいという親の思いに対して苦しんでいる子達がよくいるんですね。

だから、子どもに遺産を残すとか、子どもに夢を託すとか、そういうのは親のエゴだろうと、それを子どもに押し付けるのは絶対にやっちゃダメだろうと思っていたんです。親と子は血縁関係はあっても、あくまで個別の人間だろうと。

-駒崎
なるほど。わかります。

-川上会長
でも、子どもを持ってみて思ったのは、子どもに幸せになってほしいという思いは強烈な動物的本能だなと。子どもの不幸を考えると気が狂いそうになる(笑)

一同大爆笑

-駒崎
わかります。すごくよくわかります(笑)

-川上会長
これはもうねぇ。正しいとか正しくないとかいう問題じゃないなと(笑)そういう風に人間は設計されていると。そういうもんだと。それはもう、親は子どもの幸せを願いますよ(笑)

-駒崎
わかります。病気で苦しそうな子どもの顔を見ていたりすると、本当に代わってあげたいって思います。

-川上会長
そうなんですよ。僕も理屈っぽいほうなんですが、みんな頭でっかちになると、人生の目的は何なのかとか、本当に大切なことは何なのかと理屈を考え始めるじゃないですか。もう違うんですよ。

子どもの幸せっていうのは人生の中で大切なんです。理屈じゃないんです。

これが答えなんですよ(笑)何故そうなのかと問うような性質のものじゃないんです。子どもの幸せは人生の中で大切なんです(笑)

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子どもをもってメチャクチャ頭が良くなった

-駒崎
それが前提なんですね(笑)子どもの幸せになってほしいというのが前提として、どんな子どもになってほしいと思いますか?

-川上会長
理性と感情の部分があって、感情の部分では幸せになってほしいから、正直幸せになってくれればなんでもいいやって話になるんですよね(笑)

とはいえ、将来苦労しないように何か教えてあげたいなと思ったりするのですが、これからAI(人工知能)の時代になっていった時に、そもそも人間が働く必要がある世の中になるのかも正直良くわからないじゃないですか。

未来がどうなるかわからない。最終的にはそこはもうよくわからないから僕の責任じゃないなと(笑)なので、どんな子どもになってほしいという責任ある回答をできる立場に僕はないと思っています。

-駒崎
例えば、プログラミング教育をしようとかは思わないんですか?

-川上会長
んー。そういう具体的なスキルを子どもに押し付けようとかは思わないですよね。それよりもむしろ僕は、子どもを持ったことによって無茶苦茶、自分の頭が良くなったと思うんですよ。ものの見方というか、自分というものをよく知ることができるようになったんですよね。

-駒崎
おお、それは深いですね。どういうことですか?

-川上会長
例えば、僕の子どもは今2歳半なんですが、子どもって基本的に何も出来ないじゃないですか。ひらがなを覚えるとか簡単なことも何も出来ない。けどそれってちゃんと考えると、子どもは平面に書いてある線っていう概念もそもそも持っていない。

そもそも線という概念が分からないところから線の組み合わせである文字というものを認識して覚えるには、非常に高度な抽象化のプロセスが必要になっているはずなんですよね。それをどのような段階を経て子どもに覚えてもらうのかっていうのは、学習ということを本質的に理解することと一緒なんですよね。

-駒崎
わかります。会話も出来ない子どもにどのように覚えてもらうかとかは本当に難しいですよね。人工知能の学習プロセスみたいなものですよね。

-川上会長
そうなんですよ。我々も人工知能の研究開発をしていますが、子どもを持って思ったことは「子育てしないと人工知能を真には理解できないのではないか?」ってことですね(笑)

一同爆笑

-川上会長
またそれだけでなく、単純に子どもに色んなことを教えてあげたいという欲求が凄いですよね。星の名前とか花の名前とか教えてあげたくて今から勉強してます(笑)そんなに興味無かったのに(笑)

あれ、なんなんですかね。自分だってよくわかんないけど娘には教えてあげたい(笑)子どもじゃなくて、結局、僕がいろいろ勉強しているんですよ。

-駒崎
メチャクチャわかります(笑)子どもと暮らしを共にすることによって、自分が学ばせてもらっているっていうのはありますよね。

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「子どもと暮らしを共にすることによって、自分が学ばせてもらっている」

-川上会長
そうなんですよね。年を取るとだんだんと若い頃にいくらでもあった好奇心がだんだんと薄れてきます。子どもを持つことによって、この歳になって僕の中での好奇心っていうのが大分回復したっていうのがありますね。本当に成長させてもらっています。

自由に子育てができる社会になって欲しい

-駒崎
個人の話から社会全体の話に戻して、子どもたちがこれから生きていく21世紀や、社会がこうなっていったらいいなという描いているものがあればお願いします。

-川上会長
人工知能が発展し、これから長期的に見るとディストピアのような世界になっていくと思うんですよね。何をディストピアとして定義するかにもよるのですが。

※ディストピア:ユ-トピア(理想郷)の正反対の社会。 一般的には、SFなどで空想的な未来として描かれる、否定的で反ユ-トピアの要素を持つ社会という着想で、その内容は政治的・社会的な様々な課題を背景としている場合が多い。

-駒崎
映画のマトリックス的な世界観とかですかね。

-川上会長
そうですね。あれは全てがコントロ-ルされた世界観ですよね。僕はあれはあれで楽しいと思うし、幸せだと思うんですよ。個人的にはその世界にいきたい(笑)人類もそのほうが幸せだと思いますし、そうなるべきだとも思っています。ただ、今の世の中の価値観では、あれはディストピアに見えると思います。

-駒崎
まさにそうですね。

-川上会長
個人的には、人間が子どもを育てるということは、娯楽であり、人生の生きがいである。その権利を、全ての個人が持ち続けられると良いとは思っています。

-駒崎
本当ですよね。それが理想だと思います。

-川上会長
とはいえ現状の社会体制では国が子育てをサポ-トしないと社会が成り立たないというのも明白です。そういうことを発信・提示して未来を迎えるというのが、個人でできることかなと思っています。


【4月19日はみんなの保育の日!】

※4月19日が4(フォ-)19(いく)であることから、同日を「みんなの保育の日」(※日本記念日協会に正式認定取得済)とし、イベントの開催日としました。

4/19当日は、六本木ニコファーレにてイベント開催予定◎
(入場無料/授乳&オムツ替えスペースもご用意しています)

詳細はこちら
http://419.jp/

イベントページはこちら
https://www.facebook.com/events/1258538517564312/

※イベント当日は、下記サイトにてニコニコ生放送も実施します
http://live.nicovideo.jp/watch/lv293012379

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ニコファーレ:壁面を取り囲んだLEDの大迫力の演出と、ニコニコ生放送を中心にネットライブ配信が可能な設備を完備した、各種発表会やア-ティストライブなどの様々なイベントを開催している「ネットとリアルの融合」をテ-マとした次世代ライブハウス


編集部より:この記事は認定NPO法人フローレンス運営のオウンドメディア「スゴいい保育」より、2017年4月14日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「スゴいい保育」をご覧ください。

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