北朝鮮に対抗するための憲法9条改正のあり方について

2017年09月03日 06:05

ども宇佐美です。
今回は北朝鮮の最近の動向と憲法9条改正の関係に関する話です。

さて私は従来憲法9条の改正については「改正したほうがいいだろうが、別に今すぐにやるべきことでもない」と考えていたのですが、先日の北朝鮮の太平洋へのミサイル発射を受けて「早急に憲法9条の在り方を検討して遅くとも2020年代前半には憲法を改正すべき」と考え方を変えました。

先日のミサイル発射が北朝鮮から日本への「俺たちはいつでも日本全土を攻撃できるんだぞ」というメッセージが含まれたものであることは疑いようはなく、ここに至って日本として何の対抗措置も持たない状態というのは弱腰の域を超えて無策の域に達したと思うようになったからです。

そんなわけでここ数日「憲法9条改正は具体的にどのようにあるべきか?」ということを考えていたのですが、ある程度考えがまとまったので記しておこうと思います。

まず私は憲法9条がこれまで果たしてきた役割についてはかなり高く評価していまして「日本が戦後建前としての憲法9条と本音としての日米安保をその時々都合よく使い分けることで直接的に戦争に巻き込まれずに平和に発展できた」というのは事実で、国益を考える上では今後とも基本的にはその構図は残さなければいけないと思っています

例えば乱暴に憲法9条改正によって日本独自の交戦権を認めることで自衛隊を日本軍とし、韓国や中国やロシア、ひいてはアメリカの警戒を呼ぶようなことは避けなければならないと思っています。少なくともその種の積極的な憲法9条改正は韓国、中国の反発を呼ぶことは確実で、そこにロマンはあっても実利はありません。

あくまで主敵は北朝鮮なのですから、北朝鮮のみを仮想敵国とした憲法9条改正にとどめなければならないと思っています。

その意味で私が重要だと思っているのが、いわゆる「朝鮮国連軍」の枠組みに日本が参加できるようにすることです。朝鮮国連軍とは国連安保理決議84号に基づいて、1950年にアメリカの指揮のもとに結成された国連旗を擁する多国籍軍で、その主敵は当然北朝鮮です。日本は憲法9条の制約でこの種の多国籍軍への参加はできないものの、朝鮮国連軍と日本の間では地位協定が締結され、現在は司令部が韓国(設立時は東京)に後方司令部が横田基地に置かれています。

政府解釈では憲法9条の制約下でも国連自身が指揮権能を有する国連憲章43条に基づく「本来の意味での国連軍」には自衛隊も参加できるとされていますが、このような国連安保理決議に基づく特定国が指揮権能を持つ「多国籍軍」には参加できず、我が国が派遣するPKO部隊もその制約の下で中立的に活動するものとされています。

朝鮮国連軍は「韓国を助け北朝鮮のみを敵にする」という意味で目的がはっきりしていますのでこの枠組みに参加する範囲での憲法9条改正なら周辺諸国の懸念は最小限にとどめられますし、また我が国が建前としてきた国連中心主義も守られることになります。

さてここまで書いてきて思うのですが、本来はこの種の消極的憲法改正の方向性は国連中心主義を掲げるリベラルから出てくるべき内容なんだろうだと思います。(なお私は自称リベラルですが、日本の基準から見たら自分が保守的な人間であることを自覚しています。)にもかかわらず朝日新聞あたりがこうした具体論を出さずに相変わらず護憲にしがみついているあたりに、この国のリベラルメディアの凋落を感じざるを得ません。その辺は近著の「朝日新聞がなくなる日」で散々語り尽くしたことなので、是非お金に余裕がある方はご一読いただければと思います。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年9月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。

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