【映画評】二度めの夏、二度と会えない君

2017年09月07日 11:30
二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember(TYPE-C/DVD付き)

自分のバンドを作り文化祭で歌うことを夢見る高校3年生の森山燐は、篠原智が通う青葉北高に転校してくる。彼女の情熱に共感した智は、一緒にバンドを組み、ライブを成功させる。しかし燐は重い病を抱えており、智たちと最高の時間を過ごした後に倒れてしまう。燐が亡くなる直前に、自分の思いを告白した智だったが、そのことで彼女を激しく動揺させてしまう。もしやり直せるなら…。そう思ったある日、智は燐と出会った半年前にタイムリープしていた…。

不治の病を患う転校生と彼女に思いを寄せる男子高校生の青春ラブストーリー「二度めの夏、二度と会えない君」。原作は赤城大空による同名のライトノベルだ。タイムリープものはタイムスリップ映画のサブジャンルとして人気があり、「バタフライ・エフェクト」や「恋はデジャ・ブ」「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」など、なかなかの佳作が揃っている。中でも青春ものとは相性が良く「時をかける少女」や「サマータイムマシン・ブルース」、最近では「君の名は。」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」などがあり、どれも“もしもあの時…だったら”というほろ苦い思いを描いた作品群だ。本作もまたそんな青春のみずみずしさ、切なさをテーマにしている。

燐に告白したことですべてを台無しにしたと深く後悔する智は、不思議な力で彼女と出会った半年前にタイムリープし、燐が笑顔のままその一生を終えられるよう、今度は絶対に彼女に“告白しない”と心に決める。同じ夏、同じライブ、同じ恋。それでも微妙に違う二度めの夏。タイムリープという設定はファンタジーなのだが、かけがえのない青春のはかなさと愛おしさは本物なのだ。ストーリーは、よく言えば素直、悪く言えばご都合主義だし、村上虹郎以外の若手俳優は演技もほぼ素人。だがそれらすべてを払拭するのが、ガールズバンド「たんこぶちん」のMADOKAこと吉田円佳の素晴らしい歌声である。音楽の力が映画を輝かせていた。
【60点】
(原題「二度めの夏、二度と会えない君」)
(日本/中西健二監督/村上虹郎、吉田円佳、加藤玲奈、他)
(音楽映画度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年9月6日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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