私が小池さんならこう状況を整理する

八幡 和郎

日本記者クラブ公式YouTubeより:編集部

小池知事のいうことは、あいまいで、どうせ方向転換することを悪いと思っていないからあてにならないし、前原、細野、そして、小沢すら、小池からすべてを聞いてなさそうなので、小池の“道具”でしかない。だから、彼らの発言から何かを読み取ることすらできない。これからどうなるか分からない。

そこで、私が小池さんなら状況をどう整理するかまとめてみた。

①ただちに知事は辞任して出馬する。後任候補は同時に発表する。

②民進党からの合流は全候補者の半分程度をめどに選別する。

③合流しない候補予定者も共産党と協力しないことを条件に推薦すること、あるいは、あえて対立候補をたてないことはありうる。

④過半数を取れなかったら共産党以外との連立に参加することもある。その場合に、大連立を含めて現与党も排除しない。

①は場合によっては、自民党を過半数割れに追い込む可能性がある事実上の野党第一党として自らが立候補しないことはありえるべきでない。都知事という立場で闇尼将軍的に院政をふるうのは議会制民主主義の建前からいっておかしい。李氏朝鮮王朝の垂簾聴政でもあるまい。

橋下が議員にならなかったのは、第一党になる可能性がなかったから許されたのだ。そして都知事をやめるなら、どうせ、選挙戦で知事の仕事はおろそかになるのだから、ただちに辞めて同時選挙すべきだ。後任は指名すべきだ。

②③民進党の党首に小池氏が迎えられただけということでないためには、新党の国会議員の少なくとも半分以下、望ましくは、3分の1に民進党出身者を抑えるべきだ。そうでないとクーデターを起こされる可能性もある。民進党は220名ほど公認予定だったのだから、これを半分以下ににする、あるいは比例名簿を工夫することで、非民進党議員の確保をすべきだ。

総理経験者である野田、菅直人は公認しないと細野がいっているが、それに加え、辻元、枝野、赤松、それに自由党の小沢一郎とかも含めて何人かは少なくとも公認すべきでないし、選挙後も党内に入れるべきでない。ただし、党外に置いておくなら推薦、対抗馬を立てないなどはあってよいのではないか。前原が無所属でといっているのは、かなりの現職が公認を得られないことを予想しているのではないか。

松井・大村と協力するのは良いことだ。左右のバランスは良くなる。しかし、所詮は党外なので党内クーデターをふせぐには当てにならない。

安保法制が違憲なので撤回するというのは、日米同盟の観点からもありえない。そこで、少なくとも、任期中は主張に封印することは条件にするべきだ。

④共産党とは組まない以上は、大連立も視野に入れないと辻褄が合わない。

ここまでは、あるべき論である。果たして、小池氏は絶対に出馬しないのか?つまるところ、小池氏は選挙の結果、首相になれる可能性がどのくらいか計っているのだろう。なれそうだとなったら、勝負にでるかもしれないが、その可能性が少なければ、野党として、数を誇るより結束を重視するのかもしれない。都知事として政府に対して強くなるためにも、それは有利だし、極端には五輪後、あるいは、次の総選挙後に首相をめざすこともできる。また、数だけ増やすと維新の混乱の二の舞になるのを見てきたからだ。

昨日の記者会見の解説

問 希望の党は今回の選挙で政権奪取狙う意志があるのか
答 小池氏 最初から野党を狙って選挙に臨むことはない。

問 何人くらいの候補者を出すのか
答 いま精査しているところ。

問 民進党が合流するという話もあるが
答 ない。希望の党で出たいという申し込みがあって初めて候補者として選ぶかどうか考える。

問 過半数を取ったら首相は誰になるのか
答 それについては考えていきたい。
(八幡注・様子見すると言うこと)

問 憲法観などのずれがあると過半数を取っても空中分解するのでは
答 「希望の党」に入る希望をする人しか入らない。そもそも考えが合わない人は来ない。
(八幡注・選別をかなり厳しくする、あるいは、誓約書を書かせるのか)

問 2019年10月の段階で予定通り消費税の増税を行うのか
答 財政の立て直しは極めて重要な問題だが、安倍総理も遠ざけている。私はただ増税をするだけでは、消費を冷え込ませるだけだと考えている。景気条項という、分かる形で進めていくのが妥当ではないか。
(八幡注・安倍首相とほとんど違わない)

問 法・安全保障の問題で、自民党と希望の党に差異が見えない。
答 憲法は時代と世界の流れをふまえて、国家と国民をどうやって守っていくのかの背骨の部分。9条のイエス、ノーだけでなく、より多くを健全に議論していかないといけない。憲法改正そのものが目的化してはいけない。
(八幡注・安倍氏より大胆なのかどうかすら分からない)

問 情報公開についてはどう対処するのか
答 国政でも都政でも、広く知らしめることが大前提。それにより行政に緊張感が出る。それが政治の透明化、信頼感に繋がる。これが民主主義政治の基本的なインフラ。
(八幡注・知事としても新党党首としても情報公開は不十分でしょう)

問 いつまでに原発ゼロにするのか
答 2030年までに原発をゼロにするにはどういう行程があるのかを検討していきたい。
(八幡注・何もいってないのと同じ)