アニメじゃない音喜多先生の離党劇から学ぶべきこと

宇佐美 典也

ども宇佐美です。
ガンダムと言ったらやっぱりZZですよね。ハマーンと言ったら小池知事ですよね。グレミーと言ったら音喜多先生ですよね。マシュマーと言ったら若狭大先生ですよね

ということで現在の都政及び国政をめぐる状況があまりにもZZガンダムと似ているので少し驚いているのすが、これはアニメじゃなくて本当のことなのですよね。

さて私は何度も書いている通り音喜多先生とは良くも悪くもない仲なのですが、二年弱一緒にオンラインサロンをやってきた関係のこともあり(7月の都議選前に終了)それなりに近くで彼を見てきたつもりではあるので、音喜多先生の離党劇に関して思うことつらつらと書き残しておくことにします。

時は2年前にさかのぼりまして、そのころ音喜多先生は自民党都議の塩村あやか氏へのいわゆるセクハラヤジの追及などでぼちぼち「ブロガー都議」として知られる存在ではあったものの、あくまでネットの一部で話題にされていたに過ぎず、また本人もそれを自覚していました。そのような状態で都議会で北区の定員数を一つ減らすということが決まり「次の選挙はかなりきついな〜」などと彼がぼやいていたことを思い出します。

それが半年ほど経つと音喜多先生は舛添知事の公金の不適切(?)な利用問題への追及で全国区で名を上げ、2016年6月に開催された彼の結婚パーティーでは「都政をぶった切る」だとか「舛添知事は都政に不要だ」だとか気勢をあげていたのが思い出されます。私自身は当日会場の端っこで「現実に都政はまーまー上手く回っているのに、一体あいつは舛添知事のクビをとって何をしたいんだろう」と大分冷めて見守っていたのですが、その後舛添知事が持ち前のセコさで炎上を繰り返し現実に知事辞任に追い込まれると、今度は都知事選をどうする、という話になりました。

それでもって7月の都知事選に小池さんが出馬するということになると、音喜多先生は渡りに船とばかりに興奮気味に「忙しくなるぞ〜」などと張り切っていたのですが、「で、ところでお前は何をしたいの?」と聞くと「都政の情報公開」という返答しか変えてこず「それは手法にすぎないだろ」と心の中で感じつつも「ま〜小池さんが勝つのはかなり難しいだろう」と思い、勝手にすれば、という程度に思っていました。

それがあれよあれよという間に内田茂氏が悪のシンボルに仕立て上げられ「都議会の闇」などというわけのわからない事実無根の風評が吹き荒れ、それが追い風となって小池さんが勝利し、次は築地移転騒ぎが始まりました。この頃が音喜多先生にとってある種の絶頂期で盛んにテレビ出演などもしていたのですが、徐々に豊洲市場をめぐるスタンスで小池知事との間ですれ違いが生じてきました。音喜多先生としては当初から十分に豊洲市場の安全性を理解していたので早期移転を主張していたのですが、小池知事としては本音のところで築地の残留に肩入れしており、その意を汲んである時を境に音喜多先生が「豊洲市場は安全だが安心でない」という主張をするようになります。

この頃になると私も都政の混乱に大分イラついていたので、音喜多先生に

「お前がなんのビジョンもなく舛添さん引きずり下ろしたから移転問題はこんなことになったんだろうが。ちゃんと責任とって最後まで早期移転主張しろよ。」

というようなことを言ったら音喜多先生は

「きちんと豊洲への移転は実現させる。自分は都民ファーストの要職であるし、小池知事も自分の体を張った意見はそうおろそかにしないはずだ」

と返してきました。

結果を見れば「豊洲移転、築地リターン」というわけのわからない結論になってしまい、その過程で音喜多先生の意見が積極的に聞かれるような機会はなかったかのように思います。むしろ体良く利用されて、使い捨てにされたというところでしょう。

さすがに都議選前後になると本人も小池知事に相手にされていないことを自覚して大分モチベーションを下げていたのですが、昨今の希望の党と民進党の不毛な合併騒ぎでほとほと小池知事に愛想をつかして意を決し、一矢報いるべく、また政治家としての自らの今後の可能性を残すべく、希望の党にとって最もダメージの大きいこのタイミングで都民ファーストの会から離党を決意したというところでしょうか。

今後都民ファーストの会からは離党が相次ぐと予測され、今回の彼の決断は小池知事の足元の都議会を揺るがすことになるため、政界に与える影響は大きなものとなりそうです。ただもしこれが空振りに終われば音喜多先生は敵ばかり作ってきましたから、今後の政治家としての活動は厳しいものとなるでしょう。

以上つらつらと書いてきて何を言いたいのかというと、「大義なく選挙に当選するために小池知事に従って希望の党に参加するということはどういうことか」ということを音喜多先生という先例を通じて民進党の議員の方々はよくよく考えて欲しいということです。こと小池知事に関しては「今我慢すれば報われる」だとか「いつか小池知事は自分の頑張りを評価してくれる」だとかいった発想がどれほど無意味なことか、ご理解いただけると思います。

なお若狭議員はマシュマーよろしくそろそろ強化人間化の兆しが見えているような気がします。
ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年10月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。