希望の党の首班候補は誰が良いか

2017年10月06日 21:00

※小池氏(都知事Facebookより引用)と石破氏(©アゴラ研究所)

小池・前原会談で、「会談では小池氏の衆院選不出馬を受け、早期に首相候補を決めるべきだとの認識で一致した」とい報道があったが、だいぶまぬけな話だと思った。小池さんの言葉では、「どういう旗頭で戦うかを整理していきたい」といっているだけだから、考えていくと言う事で決めるとまでは言っていなかった。

まず、いつまでにとも言っていない。次いで、具体的な首班候補を決めるということはまったく触れていない。

10日の告示までは、小池さん自身が出馬する可能性は残っているはずだが、私は非常に可能性は低いと思っている。小池さんは、来年に総選挙があるという予想でいろいろ手を打っていたので、それを察した安倍内閣が支持率が上がったところで急ぎ先手を打ったと思う。もちろん、北朝鮮情勢も、11月のトランプ訪日のあと現在より緊迫するだろうという見通しもある。

したがって、解散以降の小池さんの打ち出す手は、苦し紛れで出す奇想天外な知恵の連続だ。しかし、候補者の数が少なすぎるし、しかも、半数以上が民進党関係者では政権を取っても当てにならない浪人と雑兵の混成集団だ。

しかも、参議院で超少数派なのだから、少なくとも、再来年の参議院選挙までは、ねじれ国会になる。

それでも、間違ってでも首相になるチャンスがあれば出るかも知れないが、その可能性は少ない。ならば、都知事のままのほうがいいし、本当の勝負は、東京五輪の年の春に任期満了前の辞職をして満を持して選挙を待つか、あるいは、五輪直前の知事選挙に、解散になったら辞職して出馬するとあらかじめいって選挙にのぞむかだ。

それでは、とりあえず、今回の対応だが、総選挙の結果としては、

①希望で過半数を確保した場合

②希望と連立に協力する勢力で過半数をとれた場合

③希望が比較第一党になった場合

④いずれでもないが、自公が過半数を失った場合

というそれぞれのケースで違う。

政党としては、①については決めておかざるを得ないが、それ以外は話し合いでといっておいても、構わないだろう。

①については、本来は、告示日である10日の段階で明らかにしておくべきだが、投票日前までの状況を見てということはぎりぎり許されるかも知れない(世論次第だ)。

いずれにしても、世論調査で過半数の可能性がないということなら、選挙が終わってから、連立交渉のなかで出していきたいということも可能ではある。

もし、世論調査で過半数の可能性があるということになると、具体的な名前を出さざるを得ないが、はっきりいって適任者はいない。もちろん、これから、自民党から引き抜くとか、比例上位で新たに総理候補をサプライズで入れる手もある。古い名前なら、細川元首相とか、竹中平蔵とかだし、石破茂とか野田聖子とか、元知事では橋下徹とか、あるいは財界人(まさか孫正義。しかし、半島に縁がある人と嫌韓派の小池氏は水と油)という線も論理的にはありうるが、難しい。冗談半分で言えば、前川喜平や丹羽元中国大使は保守派ではない。

あるいは、具体的に名を上げるかどうかは別として、外交の場でとりあえず安倍首相にかわって即戦力となる人を考えたいとかいって、外相経験のある前原誠司(外相としてのお粗末さを考えると止めて欲しいが)、玄葉光一郎とか、あるいは、小沢鋭仁元環境相、細野豪志など閣僚経験者の国際派を上げるか、閣僚未経験では長島昭久などを念頭にほのめかすかだ。

一方、②から④のケースだが、はたして、旧民進党無所属はいいとして、あと、どこと組めば過半数になるか見当もつかない。

それに、私は小池さん自身、自分以外の代理人が首相になることは望まないと思う。たとえば、石破さんを迎えるとすれば、小池さんが議員に戻っても数年以上も譲ってくれないだろうし、公明党の山口さんなら異存はないかも知れないが、公明党がそんな危ない橋を渡るはずがない。

もし外国のように、非議員をいきなり首相にできるなら、人はいるが日本では制度上無理だ。となると、自民党に大連立を持ちかけて、場合によっては、安倍首相以外ならとかいうしかないだろう。

そこで、私はむしろ、「大連立で憲法改正した後、小池は首相を狙う?」で先日、書いたように、憲法改正のための大連立で安倍続投容認というのが論理的にはありと思うのだが、もちろん、違う人をということだってありえるだろう。

ただ、日本は議院内閣制であるのだから、たとえば、石破氏などが選挙が終わってから野党の誘いに乗って政権を狙うというのは邪道であって、もし、石破氏が選挙のあいだも安倍批判や小池ラブコールをしたいなら、きっぱりと、離党して総選挙に臨むべきだ。

都議会議員選挙でも石破氏は選挙中に利敵行為をずいぶん働いたが、自分で自党の敗北の原因をつくっておいて、「選挙結果が悪いから首相は代われ」と党内でいうのは筋違いだ。大統領選挙の国では、政党が割れることはあるが、議院内閣制ではそれが論理矛盾だと指摘しておきたい。

ただ、正直いって、いま、北朝鮮情勢が緊迫しているなかで、また、トランプのようなタイプの大統領のときに、安倍首相を交代させたいと言う気は余り起きない。特に石破氏のようなもってまわった長口舌をトランプが気にいるはずはなかろう。

また、今回はともかくとして小池首相の可能性だが、外交の場面で通用するかどうか、都知事なら試すチャンスがある。ダボスで演説するとか、相当な大国の首脳と会談するとかできるのだから、そこで、経験を積み、能力を証明してくれれば、私は必ずしも将来の見通しに悲観的なわけではない。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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