立憲民主党の軍師は誰だったのか?選挙後の朝日新聞の暴露記事に期待

新田 哲史

選挙中は多種多様な業務の裏方に回ってあれやこれやと忙殺されておりました。この間、タイトルで持ち上げた朝日新聞様をこき下ろしまくった拙著『朝日新聞がなくなる日 – “反権力ごっこ”とフェイクニュース』(ワニブックス)がおかげさまで重版したと思いきや、気がつけば選挙戦最終日の深夜、もうまもなく選挙関連のブログ投稿には制限がかかります。

で、公示後、まったく原稿を書かないまま投票日を迎えるのもなんかと思い、もはや選挙情勢が見え見えになった中での選挙戦振り返りか、もう一つ、立憲民主党の躍進の立役者は誰なのか、どちらのテーマで書こうか迷った末に、PV取れそうなのが後者かと思った次第で、このグダグダの選挙戦にふさわしい、グダグダの記事で締めたいと思います。

今回の解散総選挙、自分なりにネーミングするなら「大山鳴動選挙」「枝野焼け太り選挙」のどちらかを挙げておりますが、立憲民主党の躍進の分析は、この選挙戦後、徹底的に進められるでしょう。しかし、当初から民進党時代から明らかに変わったのはネットを使った選挙戦が非常にうまくなったことです。前回、野党第一党首でありながら東京1区で落選し、今回おそらく復活当選するであろう海江田さんがネット選挙解禁時に「私は毛筆をこよなく愛す」などと、のたまったほど、旧民主党時代からの民進党アナログカルチャーは絶望的でした。

一方の自民党は、2009年の下野後、政権奪回のためにネットを駆使したメディア戦略をしっかり磨き続け、以前も書きましたように、プロ野球のペナントレースでいえば20ゲーム差くらいの差がついていたわけですが、民進党が分裂し、ある種、小池・前原陣営に排除された方々の立憲民主党結党は、せいぜい左派の同情票を集める程度かと思っておりました。ところがどっこい、小池さんが出馬せず、おときた砲の炸裂などもあって希望の党は自滅。「反安倍」の受け皿として、立憲民主党が大躍進したのは周知の通りです。

巧みなネット戦術が目を引いた立憲民主党(ツイッターより)

急な結党、選挙資金もなさそうな状況にあって、さてはてどうなるやらと思いきや、ツイッターアカウントが急造にもかからず、フォロワー数は全政党トップに躍り出てマスコミの話題に。さらに、新宿など各種の定番の街頭スポットで動員をはるかに超えてそうな集客に成功。カラー、動画などクリエイティブも一体どうなってんだという感じのオサレ感を演出。そのコミュニケーションスタイルは、アメリカ大統領選のサンダース、イギリス総選挙のコービンらの左派躍進を意識したような感じ。

珍しく我が宿敵のバズフィードの記事を褒めますが、旧来型のスタイルと明らかに違うのはこの分析をみてもよくわかる。

【#衆院選】立憲民主党の街頭演説はなぜ「SNS映え」するのか 自民党と比べると… 

海江田アナログ文化をすっかり忘れさせる、鮮やかな手法に、保守系界隈からは津田大介さんらの暗躍を疑う意見もありましたが(笑)、全体的にセンスが若く、明らかに過去の民進党の中枢にはいなかった新ブレーンの出現をうかがわせます。

一応あちこちに聞きまわったところ、あぁ、なるほどというペルソナが浮上。まだ裏を取りきれてないので、いまのところは、私のオンラインサロンで来週月曜夜の定例討議で語り合おうかと思っている段階ですが、とりあえず、その関係者の一人とみられる人物は朝日系のリベラルメディアにインタビューを受けて立憲民主党支持を意気揚々と公言しておりまして、その記事に書いてあることと、ここ最近の立憲民主党のキャッチコピーがかなりオーバーラップしているのは、偶然にしては出来過ぎと感じるところもあります。

まあ、選挙戦が終わってから正解はでてくるでしょうが、立憲民主党の担当記者の間ではすでに公然の秘密なのでは(私は違うルートから仄聞したが)。「立憲民主党の軍師は誰だった」問題は早晩、朝日新聞あたりのリベラルメディアが探し出し、とりあえず、本物は温存しておいて、インスタ映えしそうな人を記者の前に差し出し、絶賛記事を書き、選挙ドットコムがさらに専門的に検証した記事を出し、一通りバズったあとで、文春か新潮あたりかの砲撃でその方のスキャンダルがぶちまけられ、阿鼻叫喚という未来予想図が脳裏に浮かびます。

そういうわけで、久々に緩めの「です、ます調」でなぐり書いてみました。あすは東京も暴風雨にまみれる予報のとことで、徒歩数分の投票所に雨中特攻、さっさと行って帰ってきて、あとは家でゴロゴロ、この選挙戦中に撮り溜めしたテレビドラマ、「ドクターX」やら「直虎」やら「陸王」でも見ますかね。東京1区住民の私は選択肢に難渋して選挙区は白紙、比例は某党に入れるかあたりで悩んでおります。

ひとまず、私の選挙区ではありませんが、アゴラ執筆陣の前職のみなさまのご当選を心よりお祈りいたします。ではでは。

※おかげさまで重版しました。