橋下徹は何に怒っているのか:二大政党阻む野党議員の“勘違い”

足立 康史

1.橋下ツイートに“我が意を得たり”

橋下さんがツイッターで暴言(ボケ!)を吐いた、足立がそれを擁護した、と批判されていますが、明日から国会活動が本格化するので、その前に言うべきことは言っておきたいと存じます。私は、批判にさらされている今でも、橋下さんがツイートしたメッセージは重要で、我が意を得たり、と思っています。

その理由は、第一に、橋下さんは一貫して「二大政党」が切磋琢磨すべきと主張されてきましたが、野党が体たらくで実現のメドが立っていないから、第二に、その「野党が体たらく」の原因が国会議員の“勘違い”にあるから、第三に、“勘違い”国会議員が民主系4会派に加え維新の会にもいたから、です。

そりゃあ腹立つでしょう。手塩にかけて育ててきた維新の政治運動、ご自分は第一線を引かれたとはいえ、その政治運動が大きな岐路、正念場にあるにもかかわらず国会議員が無頓着であったなら、一発(9発)ガツンと言いたくなるのは分かるし、その前に是正できなかった私たちも反省することしきりです。

2.元民主党議員がダメな3つの理由

(1)第一の理由 失政を正しく総括し反省した形跡なし

そもそも日本の野党はなぜダメなのか。先の総選挙を通じて4つに分裂した民主系ですが、元民主党の国会議員が日本の政党政治の一翼を担えない理由の第一は、3年3か月政権担当時の失政に反省がないことです。鳩山、菅元首相など民主系の国会議員が自らの失政を正しく総括し反省した形跡はありません。

(2)第二の理由 質問時間は野党のものという“勘違い”

民主系国会議員がダメな第二の理由は、民主系の反立憲主義反民主主義的な国会対応です。私への4度の懲罰動議にも言いたいことはありますが、最も非難されるべきは維新の国会質問の時間を不当に削った史実です。質疑時間を巡っては現在も与野党間で揉めていますが、民主系に意見する資格はないのです。

民主党が最初に維新の会の質問時間削減という暴挙に出たのは昨年1月6日の国会冒頭、衆院の代表質問で馬場幹事長が維新は「与党でもない(万年)野党でもない」と宣言したら、民主党が「野党でない」なら質問時間を渡さない、と“いじめ”てきたのです。野党第一党にあるまじき暴挙、言論弾圧でした。

昨年3月10日の衆院総務委でも民主党は議員2人の社民党20分に15人の維新18分、更に本年2月23日にも社民党15分に維新13分。野党がどれだけ暴れプラカード掲げても与党が野党の質問時間を減らしたことはないのに、民主党は私たちの態度を理由に質問時間を削減し言論弾圧してきたのです。

国会は、言論の府であり国権の最高機関。そこでの発言機会は、別に民主党様から頂戴しているのでなく、すべての政党と国会議員が主権者たる国民から頂戴している「権利」であり「責務」です。ところが民主系国会議員は国会の質問時間は野党のものであり野党第一党のものだと“勘違い”しているのです。

現在、特別国会での質問時間の割り振りについて与党自民党と野党立憲民主党との間で調整が続いていますが、野党は相変わらず質問時間は政府を追及する野党側のものだと主張しているようで辟易します。本来は、与党と野党が互いに質問をぶつけ合い、その政策を競い合う、それが国会本来の姿のはずです。

(3)第三の理由 国会議員だけで決めるという“勘違い”

民主系国会議員がダメな第三の理由は最も深刻です。民主系の国会議員が、本来は国民のものを自分のものと勘違いするのは、今に始まったことではありません。かつて政権を獲得した際にも権力は自分たちのものと勘違いし失政を招きましたが、先般も、政党は国会議員のもの、と勘違いし醜態を晒しました。

思い起こしていただきたいのは、衆院選に先立って前原代表が全員を希望の党に公認申請する方針を示し一任を取り付けた民進党の9月28日両院議員総会。党の存亡にかかわる重大事を彼ら彼女らは国会議員だけで決めたのです。20年近く民主党を支えてきてくれた地方議員やサポーターを差し置いてです。

結局、彼らは連合には気を使っても、最も大事な地方議員やサポーターはじめ支持者に目を向けることなく、保身だけ考えて決定したのです。何故そんな横暴をすることが出来るのか。それは、彼ら彼女らが赤絨毯の上を闊歩している間に、国会議員だけで決めることができる、と酷い“勘違い”したからです。

3.“勘違い”が維新の致命傷となる理由

冒頭、私は、「“勘違い”国会議員が民主系4会派に加え維新の会にもいた」と書きました。こうした認識は、10月最終週にツイートした通り、先の唐突な離党会見を経て補強されてしまいましたが、今日の時点では未だご本人と党との調整が続いているようですので、これ以上の言及は控えたいと存じます。

いずれにせよ、民主系国会議員については、仮に彼ら彼女らがどんなにアホでも、どれだけ勘違いしていても、労組を中心に支持組織があり共産党との協力も期待できます。しかし私たち維新にあるのは、心ある「無名の支持者」だけ。国会議員の“勘違い”は絶対に許されないし致命傷になり兼ねないのです。

希望の党、立憲民主党、無所属、そして民進党という民主系4会派の「三重の“勘違い”」については、私は被害者でもありますので今後も徹底的に追及してまいりますが、わが日本維新の会についても、何が有権者の負託に真に応えることになるのか、謙虚に真摯に考え、行動を続けてまいりたいと存じます。

与党の自公連合軍はとにかく強大です。自民党は60年の歴史を持ち、地方の豪族たちが地域に張り巡らした権益ネットワークに公明党組織も協力する。私たち維新が大阪の皆様と実現した自維「二大政党」は、既存組織に依存せず、「無名の支持者」と歩む憲政史上初の挑戦。負けるわけにはいかないのです。


編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2017年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。