歴史から学ぶ「テロ支援国家」再指定の意義

2017年11月25日 11:00

arif_shamim:flickr(編集部)

米トランプ政権、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定へ(BBCニュース)

時すでに遅きに失しているかもしれない。米国が2008年に北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を行ってから、ようやく再指定となったが、失われた時間は大きい。

この間、北朝鮮は核開発を止めなかったし、米国をもずっと欺いて来たのだから、国としての覚悟が違うと言うべきか。

北朝鮮の覚悟に対して国際社会がどこまでの覚悟を示せるかという段階に既に入っているのではないか。

北朝鮮の国家としての意思、つまり独裁者の意思を分析することは幾らでも出来るだろう。「北は本気で攻める積もりはない」「南北朝鮮統一を狙っていて対外的野心はない」「米国もミサイル開発をしているから北が同じことをやって何が悪い」「核開発をしたとしても自国の防衛が目的だ」などと分析して見せても、北朝鮮はこれからも覚悟を示し続けるだろう。

こんなときこそ、歴史を紐といて考えなければならない。

第2次世界大戦の始まる前、ナチスドイツは政権を取ると再軍備と徴兵制を復活した。たとえヴェルサイユ条約違反だとしても、自国防衛の為となれば、当然の措置だと周辺国も納得せざるを得なかった。続いて、非武装地帯とされたラインラントに進駐した。

さすがに度重なる違反に対して、英仏も警戒を抱かないわけではなかったが、両国民の間には平和主義が蔓延しており、ヒトラーは戦争を企てている訳ではない、自国防衛の為には当然だという論調も手伝って、ヒトラーの行動を認めざるを得なかった。さらにはオーストリア併合については同一民族だから、という理由で干渉しなかった。

さすがにチェコスロバキアのズデーテン地方の併合に当たっては、衝撃が走った。しかし当時のイギリスチェンバレン内閣は宥和政策に出た。ヨーロッパは平和が保たれたとしてチェンバレンは拍手喝采を受けたが、チェコスロバキアの代表はミュンヘン会議にも呼ばれず犠牲となったのである。

その結果がどうであったか?

ズデーテン地方にはマジノ線に匹敵する要塞線と軍需工場であるスコダ社があったが、ヒトラーはそれらを奪い、着々と戦争準備を進めて、チャーチル首相が批判したように、ついに「不必要な戦争」を起こすに至るのである。

宥和政策をとるイギリス政府に対して、チャーチルは常にナチスドイツを叩くべきだ、と主張したが、残念ながら受け入れる者はなかった。

その後の歴史こそがチャーチルの評価する所を変えたのである。

北朝鮮が覚悟を示し続けるならば、私たちも覚悟を持たなければならない。私たちは、これからも、これまで以上の脅威にさらされると考えるべきだ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の鷲尾英一郎氏(無所属、新潟2区)の公式ブログ 2017年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鷲尾英一郎の日記をご覧ください。

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鷲尾 英一郎
衆議院議員(無所属、新潟2区)

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