雇い止めは民主党政権の責任!


朝日新聞が『東北大、無期雇用採用試験で131人不合格 雇い止めか』と報じている。非正規職員は5年を超えて雇用できないので救済のために正職員への採用試験を実施したが、受験した821人のうち131名は不合格となり雇い止めになる可能性が高いというのが記事の要旨である。

通算5年を超えて有期雇用の更新を続けると労働者は無期雇用を求めることができると「労働契約法」第18条は定めている。そこで5年の期間が来る前に無期雇用に転換する労働者を選別する目的で東北大学は採用試験を実施したわけだ。

5年を超えると無期雇用を申し込めるという制度は、民主党政権が2012年に労働契約法を改正して成立した。

当時、労働基準法では1回の契約期間を3年以内と制限していたが契約更新を繰り返して働く人も多かった。そこで労働契約法に転換規定を設け、無期雇用のチャンスを与えようとしたのである。民主党政権は、「非正規社員に正規雇用への道が開けた」「有期労働者の不安を取り除くことができた」と盛んにアピールした。

企業の側からすれば長期間にわたって雇用にコミットしなければならない正社員の数は制限したいから、5年が過ぎたら雇い止めで縁を切るという手段を選ぶ可能性のほうが高い、という批判が当時からあった。しかし、民主党政権はこの批判を無視した。法改正から5年が過ぎ第18条が実際に適用される時期が来て、東北大学で雇い止めが起きたというわけだ。

連合が支援し労働者の味方であるはずの民主党政権が労働者の足を引っ張った。法改正の時点から雇い止め問題が指摘されていたのに意に介さなかった結果である。他の組織でもこれから雇い止めが多発する恐れがある。

論理的に考えられない政治はもうたくさんだ。