貴ノ岩が日馬引退に気を病み入院準備 ⁈

2017年12月10日 06:01

貴ノ岩関(貴乃花部屋公式サイトより:編集部)

日馬富士暴行事件をめぐって、これまで貴乃花サイドに近い記事が多かった夕刊フジだったが、驚くべき記事を掲載した。

貴ノ岩が精神科入院準備、病院探す貴乃花親方 事態の大きさ、日馬引退に気を病んだか(ZAKZAK)

貴ノ岩が、精神的にもダメージを負い、貴乃花親方が治療を受けさせるための病院を探しているというのだ。

夕刊フジは

「貴ノ岩を精神的に追い込んでいるのは、日本相撲協会に診断書を提出しないまま開催中の冬巡業を“無断休場”させ、まるで世間の目から隠すかのように、暴行事件発覚以降その所在さえも明かさない貴乃花親方自身ではないか」

と書いている。

そもそも、貴ノ岩の怪我はとうの昔に直っており、九州場所への出場は可能だった疑いが出ている。10月25日の事件の翌日には、貴ノ岩の方から日馬富士に詫びを入れに訪れているし、

「11月2日に福岡・田川市長を表敬訪問した際には、ケガを負ったことを周囲に気づかれず、元気そうに振る舞う姿を目撃されている」

「同5日から9日まで福岡市内の病院に入院したが、診断書を書いた主治医は相撲協会の危機管理委員会の聴取に『9日の時点で相撲を取ることを含めて仕事に支障がないと判断し、退院とした』と答えている」

のである。

ところが、貴ノ岩は九州場所を休場し、巡業にも出てないし、稽古もしていない。
いうまでもなく、日馬富士の暴行は許されないし、怪我まで負わせたことは論外である。ただ、格闘技選手同士のことであるから、暴力の態様や怪我が一般人に向けられたのと同じレベルで評価されるべきかは意見が分かれるだろう。もちろん、弱っている相手に可愛がると称してリンチを加えたのとは違う質の問題だ。

こういう場合に、貴ノ岩の立場として、あえて、警察沙汰にするとか、さらに、「厳罰を望む」というのはずいぶん思い切ったものだ。

事件のあと、貴ノ岩は転んだとか親方に行ったが、問い詰めると日馬富士に殴られたと白状し、そこで、親方の指導で警察に被害届を出したと言うことだろう。そして、日馬富士側や協会、マスコミからの接触は親方がブロックするなかで、警察には厳罰を望むといっているとと伝えられる。

私は貴乃花親方が、こうした場合に、うやむやにすることなく、協会や警察に届けるべきだと貴ノ岩に意見するのは、正しいと思う。しかし、それを承知するかどうかは貴ノ岩の自由意思に任すべきことだ。

とくに、「厳罰を望む」と警察に厳しい対応を要求し、起訴猶予とか略式起訴でなく、本格的な裁判を要求するようなことは、仲間内でのこうした事件の場合、日本人同士でもなかなかないことだ(「被害者感情」がこうした事件では重要視される)。

貴ノ岩がそうすることによって、日馬富士が引退に追い込まれ、刑事事件の被告にされそうな状況で、さらに、白鵬まで含めたモンゴル人力士全般に八百長をしているの、態度が悪いのとこの事件に関係ない批判がされており、それが貴ノ岩がそう望んでいるからだというときに、はたして、貴ノ岩に対するモンゴル国民の評価は肯定的なものであるかは疑問だ。

日本人大リーグ選手のあいだで同じようなことが起こり、一人の中堅選手の告発で国民的英雄といわれるトッププレイヤーが引退に追い込まれ、日本人選手はつるんで八百長をしているのでないかとか、プレイスタイルが気に食わないとか、日本人選手は出ていけとかいわれているようなことになったとき、その選手がよくやったと言ってもらえるわけにはいくまいと思う。

そして、それは、貴ノ岩の人生を狂わせてしまう可能性が高い。

そういう難しい立場に貴ノ岩を立たせてもなお、親方が、京都の某所のブルーシートで覆われた施設に貴ノ岩をモンゴル人との接触を避けるために閉じ込めているらしいということは少なくともやりすぎだろうし、弟子への愛情でそうしているなどと評価するのは無理というものだ。

ともかく、貴ノ岩が協会やマスコミに親方の意向とは関係なく自由に自分の気持ちなり事実関係について発言できるようにすべきだろう。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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