モンゴル人も貴ノ岩の行方不明を心配し始めた

2017年12月17日 16:00

貴ノ岩(貴乃花部屋サイトより:編集部)

九州場所が始まった後も元気に稽古していた貴ノ岩はどこに消えたのか。もはや、相撲協会はすぐに捜査願いを出すとかすべきなのではないか。

日刊スポーツが、生々しく、貴ノ岩は九州場所が始まったころ、元気に稽古しており、場所の途中からでも出場できる状態だったこと、「出身のモンゴルでも、本格的に安否を気遣う声が出始めているという。捜索という別な側面で、警察が介入する事態にならないことを願うばかりだ」と報じている。

暴行問題発覚の朝、貴ノ岩は…驚きの新証言(日刊スポーツ)

「181センチ、148キロの大男が見つからない。今や新聞やテレビ、週刊誌などがこぞって追いながらも、まるで姿を見せない貴ノ岩。だが問題が発覚した九州場所3日目の11月14日、実は目と鼻の先にいることを確認できていた」

事件は九州場所が開始されてからすぐの13日に明らかになったが、部屋関係者は14日に、「昨日(11月13日)まで貴ノ岩関は普通に稽古していますよ。昨日もおとといも、毎日です」「そこ(部屋宿舎)でまだ寝ていて、今も起こそうとしたのですが、まったく起きずに熟睡しています。いつも起こす役割の人間が早い時間から取組で出かけてしまったので、まだ寝ているだけだと思います。すみません」「まだ頭からぶつかることはできませんが元気そうで、そのうち場所も出られると思います」としていたという。

 さらに、「さらに翌日の11月15日の様子として、写真週刊誌にも笑顔の写真が掲載されていた。約1カ月後の現在まで姿を見せないままとは、この時は思ってもいなかった」としている。

もはや相撲協会は、一刻も早く、警察に捜査願いを出すとか考えるべき時なのではないか。世論がそういうように動くのを待ってからにしようというのかも知れないが、給与など払っている雇用者の責任として自発的に動くべき義務があると思う(力士の身分について細かいぎろんはあろうが、親方に全責任があるのではあるまい)。

モンゴル関係者の視点から見た白鵬擁護

一方、「モンゴル情報クローズアップ!」というホームページに、私のアゴラでの記事を多く引用しつつ、モンゴル視点からの一連の事件についての論評が載っていた。私がこの問題について、批判覚悟でマスコミの主流が貴乃花を擁護し白鵬などを批判していることを糾弾しているのは、日本人大リーガーに対して同じような批判がなされたらどう感じるだろうかということに出発する義憤と、東アジアで台湾を除けば唯一といって良いほどの親日国への「誤爆」というべき攻撃が国益を害すると感じるからであるが、そういう視点からも参考になると思う。

原文はリンクを張ってあるのでそちらをご覧いただきたいが、その一部を私なりの補足をしつつ紹介しておきたい。

角界に根強くある暴力の隠蔽体質を改善すべく努力する貴乃花親方 VS 「日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたい」と発言した白鵬関という、あたかも貴乃花親方と白鵬関が対立関係にあるかのような報道を受けて、貴乃花親方を支持し白鵬関をバッシングするという展開になっている。

白鵬関へのバッシングは以下のようなものだが、いずれも反論ないし留保が必要だ。

①肘うち(かち上げ)や張り手などの乱暴な相撲を行っている (変化とあわせて横綱相撲の議論はあるが、反則行為ではない。)

②行司の審判に物言いをつけた(後に厳重注意されたものの、白鵬関に悪意はなく、来場者も不快な表情をしていない。)

③万歳三唱を勝手に行った(前人未到の40回優勝を白鵬関と共に祝うことができて来場者は大喜びで万歳に唱和していたではないか)

④「貴乃花親方が巡業部長なら行きたくない」という趣旨の発言をした(「行きたくない」とは言っていないことが後に報じられる。)

⑤巡業中に和服ではなく“MONGOLIAN TEAM”のジャージを着ていた(入浴後なので問題はない。ジャージはモンゴル相撲協会から善意で贈られたもの。)

こうして並べてみると分かりますが、愛国保守かどうかに関係なく、単なる白鵬バッシングの報道を、そのまま鵜呑みにした反応でしかない。

貴乃花親方が相撲協会の事情聴取に一切応じないことが批判的に報道され

日馬富士関の引退表明後は、一転して白鵬関バッシングの報道がおこり

貴乃花親方を支持する愛国保守系の言論人やユーザーが、白鵬関のバッシングを加熱した

という展開になっている。白鵬関は日本の国技としての相撲を誰よりも大切にしており、角界の不祥事が続いた影響で優勝時に天皇賜杯が授与されなかったことに涙し、今上陛下より激励の手紙を受けたこともあるほどだ。

この事件については、私としては、貴乃花ファンの感情的反発で議論の本筋がどっかへ打ってしまわないように、モンゴル視点は抑え気味に書いてきたつもり(そんなはずないという人もいようが、主観的にはそうである)だが、このブログの言い分はいちいちもっともだと納得できる。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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