クラシック音楽はなぜ「お金持ちで知的な趣味」なのか?

2018年01月02日 06:00

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

クラシック音楽、聴いていますか?音楽の趣味は人によってかなりばらつきがあります。どんなジャンルでも聴く人や、J-POPや洋楽、アニソンを好む人といった具合に。そしてクラシック音楽は「好む、好まない人」に極端に分かれてしまうジャンルではないでしょうか?実際、私は20歳でピアノを習い始めるまでクラシック音楽は「退屈でつまらないもの」というネガティブイメージを持っていて、クラシック音楽の曲名を「月光」くらいしか知らなかったのですが、ピアノを弾くようになって一気にその世界に引き込まれ、今では交響曲からピアノ・ソナタ、ヴァイオリン協奏曲など幅広く聴くようになりました。

クラシック音楽につきものなのが、「お金持ちの趣味」「知的」というイメージです。誰もがぼんやり持っているこのイメージ、実はその通りだということをデータが示しています。お金持ちや知的な人がクラシック音楽を楽しんだことで、ビジネスや仕事で成功したのか?はたまたクラシック音楽は人を知的やお金持ちにしてしまう不思議な力があるのか?について考えてみました。

クラシック音楽は知的でお金持ちの趣味というのは「正しい」

プレジデントオンラインに掲載された記事によると、両親の年収によって子供の趣味の傾向がまったく異なることが示されています。

年収1,500万円以上…音楽鑑賞、読書、楽器演奏が多い

年収300万円未満…カラオケ、キャンプが多い

データ引用元:プレジデントオンライン「親の職業別・貧富別”子の遊び&趣味”傾向」

 

「年収が高い家庭の子供は、趣味として音楽鑑賞や楽器演奏を楽しんでいる傾向が高い」ということはデータで出ています。また、HMVジャパンが行った意識調査によると、クラシック音楽に関心を持ったきっかけは次の通りです。

画像引用元:HMVジャパンより

 

「家族の影響や、楽器を習うことがきっかけで関心を持った」が全体の4割を占めており、クラシック音楽に興味を持つかどうかは家庭環境に大きな相関性が見られます。また、「学校の授業や友人の影響でクラシック音楽に興味を持つようになった」と答えた人も合わせて20%以上となり、家庭や友人、教育の環境が強く影響していることが分かります。学校や生徒の学力がかなり影響しているのは間違いないでしょう。

これを見る限り、「クラシック音楽が知的でお金持ちの趣味」というのはどうやらイメージ通りのようです。

クラシック音楽はとにかくお金がかかる

それではなぜクラシック音楽はお金持ちの趣味なのか?を考えてみましょう。その答えを出すために自身の体験をお話させてください。

私は20歳から地元にあるヤマハピアノ教室の門戸を叩き、ピアノを学び始めました。それまで鍵盤に触れたことが一度もなく、音楽の知識は0に等しいものでしたが、ピアノの楽しさにハマってしまい、「大人からピアノを始めた人の中で、あなたほど熱心にやる生徒はなかなかいない」と先生に言われるほど、私は毎日猛烈に練習をしました。その結果、バイエル、ブルグミュラー、ソナチネと課程を進んでいきました。ブルグミュラー課程を終えるまで安物の電子キーボードで弾いていたのですが、先生から「変な弾き方の癖がつく前にちゃんとした生ピアノを買った方がいい」と言われ、楽器屋へアップライトピアノを求めにいくことになりました。

お店にいってびっくり仰天、どれもこれも50万、70万、100万と目が飛び出るような値札がついているのです。当時はコールセンター派遣の仕事をして、月収は20万円以下だったので、いいピアノなんて到底手が出ません。散々考えた結果、型落ちで保存状態が良い30万円くらいのヤマハピアノを買いました。

ところが、ピアノは買った後もお金がかかることを後ほど理解しました。楽譜やクラシック教本に始まり、コンサート鑑賞代、アンサンブル出演料、毎月のレッスン代が1万円、1枚CDを買う度に3000円、調律で年間1-2万円、そしてサイレント化に10万円です。金欠だった当時、ピアノに関連することで飛ぶようにお金が出ていくと感じました。「これを一生続けると考えると…いったいいくらかかるのか?」と寒気を感じた瞬間があったものです。

20歳から25歳までの5年間でピアノ関連費用は優に100万円を超えています。1年で20万円、ざっくり1ヶ月17,000円かかるのですから結構お金がかかる趣味だと思いませんか?また、ピアノを買うと困るのが「日本の住宅事情」です。家族に演奏する音で迷惑をかけないようピアノ部屋の確保する必要がありますし、引っ越しの度に7万円-10万円くらいかかります。

私の事例はピアノでしたが、他の楽器でもそんなに違ったものではないでしょう。クラリネットでも、ヴァイオリンなら持ち運びは手軽にできますが、音の問題やメンテナンス費用、レッスン代はピアノと同様で重くのしかかります。また、自分では演奏しない聴く人に徹しても本気でクラシック音楽を本気で楽しもうとすると結構お金がかかります。CD代は安くありませんし、品質の良いスピーカー、コンサート費用などが必要です。私の知人はクラシック音楽を本気で楽しむために音の反射を計算した「音楽部屋」を庭に作ってしまいました。一体、この音楽部屋に何百万円かけているのは想像もつきません。

「お金持ちがクラシック音楽を楽しんでいる」というより、「お金がないと楽しめない趣味」というのが私のクラシック音楽に対する印象です。

勉強が必要なクラシック音楽の世界

そしてクラシック音楽は「敷居が高い」というイメージがあります。こちらは実際のところどうなのでしょうか?結論を先にいうとこちらも正しいと思います。

私はピアノを習い始めて最初の頃は随分と先生から叱られました。「楽譜の指示を守りなさい!」と言われるのでその通りに弾くと「演奏が機械的!」と言われるのです。楽譜に書いてある通りに弾くと機械的、リズムを考えて弾くときちんと楽譜を読めと言われ「じゃあどうするんだよ!」と言いたくなってしまいました。先生に尋ねてみると「作曲者の想いを理解しなさい」と返ってきました。ベートーヴェンやモーツァルトはどんな気持ちでこの曲を作ったのか?そこを理解せずにいい曲は弾けないと言われるわけです。これは簡単ではありません。なんせクラシックの作曲者はたくさんの人がいますし、時代ごとにバロック様式、古典派、ロマン派など様々あります。

もちろん、この話はクラシック音楽を「聴く人」にも関係してきます。ベートーヴェンの交響曲 第5番「運命」は「「ジャジャジャジャーン」が何回も何回も続くうるさい音楽」と印象をお持ちではないですか?私が教わったのは「同じメロディーを少しずつ変えながら盛り上がりを見せていく曲で、いうなれば第5番は“ジャジャジャジャーンの建造物”みたいなもの。

また、ベートーヴェンが難聴を自覚し始めた頃に作られた曲で、彼にとって思い入れのあるまさに運命的な交響曲だ」といわれ少し腑に落ちた記憶があります。また、ベートーヴェンの伝記や音楽史を勉強したことで、その後ようやく交響曲は素晴らしいと感じられるようになったのです。

演奏する人も、聴く人も「クラシック音楽を楽しもう」と思うなら勉強しなければいけません。「美しい旋律を手軽に楽しみたい」という人にはショパンのピアノ・ソナタがおすすめですが、交響曲などは背景知識がなければ「長時間我慢して聴く、つまらないもの」になってしまう事が多いと思います。

「クラシック音楽の真髄を本気で楽しもうと思うならば、それなりにお金も教養も必要」というのが私の結論です。やっぱりお金持ちでインテリ層の趣味だとしみじみ感じます。

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黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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