憲法改正国民投票の日をいつにすべきか

まだ憲法改正発議の中身が決まっていないのになんてまあ気が早いことを、と言われるだろうが、私は憲法改正の発議は必ずなされると思っている。

現在の憲法は基本的にはGHQから与えられた憲法、ないし借り物の憲法だから、一度は国民の平場の議論で見直され、国民の投票でその可否が問われるべきものであった。

憲法の施行から70年が過ぎる現在まで憲法そのものについてその可否ないし当否を問う投票はなされてこなかったのだが、国民投票制度が整備され、衆議院、参議院の両院で憲法改正に積極的な政治勢力が3分の2を超える状況に立ち至っているのだから、この機を逃す手はない。

安倍政権が漫然とこのまま政権の座に就き続けることには多少の異論ないし不満があるが、私は、自民党が国民の大多数が容認する方向での憲法改正に踏み切ることには賛成である。
今の自民党なら決して無茶なことはやらないはずだ、という基本的な信頼感がある。

安倍総理の周辺の人たちだけでどんどん進められてしまうと、国民の大多数が容認しないような内容の憲法改正案の発議になりかねないぞ、という懸念を免れないが、自民党や公明党のみならず、希望の党や維新、その他一般国民の声に十分耳を傾けて、大方の国民が容認・納得できるような憲法改正案にして発議してくれればいい。

案ずるより産むは易し、という成語があるが、今の政治状況だったら何とかなりそうである。

立憲民主党の枝野氏は、如何にも共産党や過激派労働組合と同調しやすそうな言動をすることがあるが、基本的には改憲派に分類されるはずである。

ご本人が保守を自認されるのだから、保守的な価値観も持ち合わせておられるはずだ。

教条主義の護憲派だ、などと言われてしまうとまず絶対に折り合うことはないだろうが、枝野氏は教条主義者でも護憲派でもないということになると、憲法改正案の内容次第では折り合う余地が出てくるということだ。

選挙を目前にすると、普通であれば適当に折り合いを付けれるようなものでもあえて争点化させ、折り合いが付けられないような難しい問題にしてしまう可能性があるので、出来れば選挙の時期は避けておいた方がいい。

今朝の東京新聞が、今年の10月の臨時国会で憲法改正の発議をして、来年の2月頃に憲法改正国民投票をするという大まかなスケジュールを描いていたが、多分このスケジュール感が一番いいはずだ。

安倍総理の総裁3選がどうなるかは今の段階では何とも言えないが、どなたが自民党の総裁になっても、憲法改正の発議のスケジュールは大体こんなものだろうと私も思っている。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。