なぜ政治家は平昌五輪の開会式をボイコットすべきなのか --- 山田 高明

寄稿

安倍総理が平昌冬季五輪の開会式に出席するか否かをめぐり、議論が起きている。自民・公明両党の幹事長は訪韓をすすめている。総理の出席いかんに関わらず大臣二人が出席の予定だ。また、東京都としては小池百合子知事が欠席し、副知事を派遣するらしい。

これに対して、いつもの反安倍コミュニティが騒がしい。例によって「日韓友好を損なう」という主張である。朝日や毎日新聞は当然ながら、孫崎享氏や古賀茂明氏などは、安倍は異常だの日本が孤立するだのといった極論をすでに展開している。

私個人は欠席すべきだと訴えたい。これまで日本国民は散々、韓国政府によって侮辱され、不快にさせられてきた。今やそれが8割の国民感情だろう。当然、政治家はそれを代弁しなければならない。仮に安倍総理が出席したら、国民の支持を失うだけでなく、誤ったメッセージを韓国側に送る結果になる。韓国側は「いくら侮辱してもやはり日本は媚を売ってくる」と軽侮し、結局、今後とも侮日行為を繰り返すだろう。

それで構わないという人は、毎日新聞以下に賛同すればいい。私は長い目で見た日韓関係の正常化のためにも、総理に限らず公人は一切出席すべきではないと考える。

韓国はオリンピック絡みの卑劣な反日行為に誠意ある謝罪をしていない

ただし、欠席すべきだと考える理由は、韓国が慰安婦問題の日韓合意を反故にしたことにあるのではない。それ以前にオリンピック絡みで十分な理由が存在している。

第一に、韓国は日本のオリンピック東京招致活動に対して執拗で陰湿な妨害を行った。民間が勝手にやったのではなく、韓国が政府として行った行為だ。明らかに韓国メディアと市民もそれを支持していた。彼らの頭の中では「日本は開催する道徳的資格がない」ので、それを阻止するのが「正義」という異様な理屈が成立していたらしい。

第二に、韓国は平昌五輪の公式サイトにあった世界地図から日本を消し去った。朝鮮半島を巨大化させて日本の上に覆い被せたり、また日本列島だけを地図上から抹殺したりする陰湿な手法で。これも「民間が勝手にやった」とか「単純ミス」ではなく、政府として明らかに政治的意図をもってやったものだ。韓国はこの種の嫌がらせの常習犯だ。

日本が朝鮮半島の“下敷き”に。出典:http://もっこもこ速報.jp/archives/4047823.html

以上に対して、多くの人が不快に思うか、腹を立てたはずだ。日本人でありながらそう感じないとしたら、人間としてのプライドも何もないということだ。

以上の2点に関して、韓国は未だ誠意ある謝罪をしていない。

地球上のどんな国民も、こんな卑劣な仕打ちを受けたら、その国の開催する五輪イベントに嬉々として参加したりはしない。ましてや国家国民の代弁者たる政治家が。こういう時は政治家が率先して不参加を表明して抗議の意志を相手に示すのが筋だ。

よって、仮に政治家でありながら同開会式に出席する者は、公人としての責務を放棄して外国の卑劣な対日嫌がらせ行為を黙認したわけであり、かつそれによって結果的に相手の行為を今度とも助長しさえしかねない“侮日の共犯者”だ。平たく言えば税金泥棒の上に裏切り者であり、帰国の空港でペンキの歓迎でも受けてしかるべきだ。

この点では、むしろ韓国人のほうが正常な感覚を持っているかもしれない。仮に日本政府が韓国の冬季五輪招致を執拗に妨害し、東京五輪の公式サイトで日本列島を巨大化させて朝鮮半島を消し去っていたら、韓国人は総発狂していただろう。そして政治家が率先して対日糾弾発言を競い、当然ながら開会式参加は総ボイコットしただろう。

これが当たり前なのだ。どの国でも大なり小なりこういう反応になる。

政治家は己の責務を自覚してほしい。皆さんが日本を代表して毅然と対応してこなかったから、韓国側もいつまで経ってもこの種の対日ハラスメントを止めないのだ。

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(フリーランスライター・山田高明 個人サイト「フリー座」 )