西洋医学の急速な発達は、多くの難病を患った人たちに恩恵を与えています。
以前なら「がん宣告」は「死刑宣告」に等しいものでした。しかし、現代では死に直結するがん宣告の方が少なくなっています。
私の友人がかつて「胃がん」を患ったとき、「5年後の平均生存率は80%しかない」と嘆いていました。
「普通に生活していても5年後に80%生きている保証などないのだから」と慰め励ましたものでした。彼は今も元気で生きています。
ただ、西洋医学は万能ではないと、私は(素人なりに)考えています。
古くは、ノーベル医学省を受賞したアレクシス・カレル博士が亡くなってから日の目を見た告白本「ルルドへの旅」が有名です。
少女が聖母マリアを見たということで伝説になった「ルルドの泉」に赴いた若かりし頃のカレル医師が驚愕し、死ぬまで封印してきた告白です。
迷信を暴いてやろうと乗り込んだ若き西洋医学者は、ルルドの泉で、不治の病に犯された女性が奇跡的回復をしたのを自ら確認しました。
理性の塊であった彼は、完全に困惑してしまったのです。
今では、信仰心や心の強さが現代医学では回復不可能とされている病を治した事例としてあちこちで紹介されています。
カレル医師だけでなく、西洋医学では理解不可能な回復例が数多く発表されています。余命宣告を受けた患者が、毎日病室にコメディアンを入れて笑い続けたら奇跡的に回復した話や、医師の反対を押し切って余命を世界一周旅行で楽しんだら、帰国した時には完治してしまった話などが有名です。
日本でも、七田眞氏や篠原佳年氏が、心や精神力の持つ治癒力について精力的に紹介しています。
「どうしてもやり残せないものを持った人」や、逆に「あきらめて毎日を快活に生きようと思った人」などが奇跡的な回復を遂げたり、友人や知人に関する喜びや悲しみで心情が大きく揺さぶられた人のがん細胞が小さくなった話だと、事例を挙げれば切りがありません。
もっとも、中には病人の弱みに付け込む悪徳商法も多数あるので、十分注意する必要があります。
人間のポテンシャルの大きさを計るには、50年前の体操選手と今の体操選手の技能の違いを比べれば明らかでしょう。50年前の人が、今の女性の新体操を見たら、トリックのある手品師だと思い込んだかもしれませんね。
160キロ以上のスピードボールを投げる投手など、10数年前には漫画の世界でしか存在しませんでした。
医学の進歩と医療従事者の方々の努力には心から敬意を抱いています。
しかし、人間には未知なる力がまだまだ秘められていことも、私は確信しています。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。