蓮舫が財務官僚を擁護して和田政宗を誹謗?

2018年03月20日 18:30

和田氏(参議院サイトより)と蓮舫氏

財務省の文書改竄を巡って、19日の参院予算委員会で自民党の和田政宗氏が、民主党政権で野田首相秘書官だった太田充理財局長に「まさかとは思いますが、太田理財局長は、民主党政権時代に野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないか」と詰め寄った。

それに対して、太田理財局長は、「いや、お答えを申し上げます。私は、公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えするのが、仕事なんで。それをやられるとさすがに。いくら何でも、そんなつもりは全くありません。それはいくら何でも、それはいくら何でもご容赦ください」と反論した。

これに対して、朝日新聞はじめ左派系のメディアは、官僚擁護の積極的論陣を張って和田氏を猛攻撃している。

また、立憲民主党の蓮舫氏は「この発言は看過できません。昼に再開される予定の理事会で与党に抗議します。しかし、醜いです」とツイートし、同日の同委理事会で立憲民主党の蓮舫氏が「思い込みを持った発言。公僕を侮辱する話だ」と抗議したそうだ。

朝日新聞や野党が自民党に対して官僚擁護の論陣を張るのは、加計事件の前川喜平についてと同じパターンだ。

太田理財局長の国会答弁については、私はすでに、「元野田首相秘書官・太田理財局長の答弁の“見事さ”」でも非常に高く評価している。もし、私が同じポストにいたら、あのような答弁をしたいと思う。しかし、和田政宗氏の指摘も不当だとは思わない。むしろ、そのような疑問を投げかける人がいるのは当然であると思う。

佐川局長の心理を推理する

私はなぜ佐川氏が馬鹿な答弁をしたのか分からないが、推測は上記の投稿でも書いた。いちおう再掲しておくと以下の通りである。

①価格の提示などをしたことを担当者は財務局幹部、本省にそもそもしていたか?・・・どちらもありうる。キャリアに相談せずに処理するのが地元採用ノンキャリの存在価値。ただ、答弁のまえには知っていただろう。

②佐川はあの答弁の前にあの文書の存在を知っていたかどうか・・・分からないが知らなかった可能性が大きいか。だから、蟻地獄に落ちて、官房などにも相談できなくなった可能性。

③なぜ佐川は事前交渉なしと言ったか・・・あったといったら詳細を追究され、結果、長官への栄転がなくなるし、部下たちも同じ。ここで、謝っておく、あるいは含みのある答弁をしておけば良かったのだが佐川の答弁術が下手だった。

④なぜ、文書を改竄したか?….あのような文書が理財局内でどの程度、異常なのかは諸説あるが、どっちにしても、公開されたら関係者から抗議される種のもので、添付したこと自体が大チョンボ。改竄の動機はある。かつ、あの記述が起案の結論に影響を及ぼすとも思えないので、犯罪構成要件は満たすが起訴や厳罰は普通には難しい。

もっとも大きな可能性は、佐川局長は、交渉の経緯は知っていたかもしれないが、書き換え前の文書の存在を知らずに交渉の経緯も含めて嘘の答弁をしてしまい、苦し紛れに文書の改竄を指示ないし部下による改竄を追認したのだと思う。

その過程で、できるだけぼろを出さない、また、野党やマスコミに歪めて利用されないために守りの答弁に徹した。

それに対して、太田氏の答弁は、極度に守りの姿勢をとると、いかにも嘘っぽいので、できるだけ明快に分かりやすく説明し、安倍昭恵夫人に対しての広い意味での忖度が首相の「関与していたら辞める」という答弁との関係で、合理的に考えたときに問題にならない程度にあったとしても構わないという考え方で組み立てられている。

「忖度など心の中の問題」とかいう言い方もそこから来ている。また、「総理の夫人だから文書に載せた」というのも同様だ。

そして、この答弁を悪質なマスコミは、「なぜ改ざん文書に昭恵夫人の名前が? 太田理財局長の回答に国会が騒然 」 【BuzzFeed Japan 】といった悪質な見出しで報じている。これでは、自民党から局長の答弁は間違っていないにしても、マスコミで歪曲されることについて不用心だという声が出ることはおかしいことでない。

その意味で、少なくとも、和田政宗氏の可能性の指摘は決めつけているわけでないのだから、正当なのであって、これを誹謗だとかいえないし、蓮舫氏みたいに「公僕を侮辱する」というのは、国会議員を侮辱することにほかならないのである。

財務省局長の真意は分からない

それでは、本当はどうかは、私も分からない。太田局長の答弁スタイルは、私の趣味には合っているし、私が安倍首相や官邸の立場に立ったら、佐川氏の守りの姿勢での答弁でかえってイメージが悪くなったので、太田氏のような方向で良いというと思う。

しかし、もしかすると官邸は、悪質なマスコミや野党の餌食になるような答弁は避けて慎重にしたほうよいといっているのかもしれないし、それは、不当ではない。

それでは、次に問題になるのは、太田局長が明け透けな答弁を官邸の同意を得てしているのかどうかだが、これは不明だ。

そもそも、佐川氏の場合もそうだが、答弁は官邸の同意も得た想定問題にそっているのだが、細かいところは、答える人に任さざるを得ない。とくに、財務省の局長といった偉い人の場合はそうだ。

だから、佐川氏がその性格がゆえに官邸の想定以上に臆病な答弁をしていたかもしれないし、太田氏が官邸が肝を冷やす前向きな答弁をしているかもしれない。

そして、官邸の意向より太田氏が前向きに答えているとすれば、それが、「安倍政権のためにそのほうがよい」ということか、「安倍政権にとってどうかしらんが、財務省にとってはそうだ」と思ってのことか、そこはうかがい知ることはできない。

忖度という言葉は使わない方が良い

それから、おまけだが、委員会のやりとりを聞いていて、「忖度」の有無という言葉は不適切だと思った。籠池氏が安倍昭恵夫人の名前を出したり、そのほかの形で昭恵夫人が名誉校長になるとかいうことが意味があるとしたら、それは、昭恵夫人の意を忖度することで首相にごまをするのでなく、そのことで、学校経営の安定が期待でき、不適切な払い下げでなくなるということであろう。

それは、「忖度」という言葉を持ち出されるとちょっと、「忖度するのではないが考慮材料ではある」というような分かりにくいことになってくるからだ。普通なら、そういえばいいのだが、朝日新聞などがなにをいっても関係ないわけでないといえば、忖度だ、関与だと決めつけそうだとなると、そういう正論はいえなくなる。困ったことであることは、「『立憲民主党』『朝日新聞』という偽リベラル」(ワニブックス)でも指摘しているところだ。

「立憲民主党」「朝日新聞」という名の偽リベラル
八幡 和郎
ワニブックス
2018-02-26
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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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