「夜回り」を全面禁止せよ

2018年04月23日 12:00

写真は共同通信より引用

今回のセクハラ事件で、テレ朝の情報漏洩を擁護するジャーナリストが少なくない。共同通信は、「彼女は反省する必要などあるのか」と開き直る。この録音データは「取材活動で得た情報」ではないから、週刊誌に売り込んでもいいという。

思い上がりもはなはだしい。この田村文という記者は、自分が夜中にアポなしで要人の家に入れてもらえるのは、なぜだと思っているのか。「共同通信」という肩書きがなければ、彼らはただの不審者として110番されて終わりだ。政治家や官僚が彼らを家に入れるのは、「夜回り」という習慣があるからだ。

たしかに夜回りは、取材活動とはいえない。政府首脳の自宅に何時間も張り込み、酔って帰ってきたところをつかまえてセンシティブな話を聞く。家に上がり込んで、夜中の1時2時まで、酒を飲ましてもらう。夜回りの99%は空振りで、特ダネなんてほとんど取れない。みんなでぞろぞろ家に上がって、横並びで「特オチ」を防ぐだけだ。

大事件になると、24時間ベタバリということもある。日本の新聞記者は、アメリカの記者の2倍以上いるが、原稿の量は半分だ。効率が悪いのは、こういうべったり張りつく取材をしているからだ。あげくの果てに上がってくるのは、噂話を書いた「夜回りメモ」だ。これはもちろんオフレコなので使えない。

そもそも夜回りする対象が、ネタをもっていないことが多い。ネタをもっていても「明日ガサ入れをやる」という類の情報を数時間早く出す程度だ。それも共同通信やテレ朝のような二流には出さない。取引する価値がないからだ。共同がオフレコ音源をネットに公開する方針なら、共同の記者は今後、夜回りはできなくなるだろう。

最近は「夜回り禁止」という役所も増えてきた。オフレコ取材はどこの国でもあるが、夜回りは日本独特の悪習であり、長時間労働の原因だ。相手だけでなく近所の家にも迷惑なので、これを機に全面禁止すべきだ。そういうカルテルは、記者クラブのお得意だろう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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