日本の未来のために、特区制度をやめてはならない --- 星野 剛士

2018年05月03日 06:00

兵庫県養父市の特区資料より:編集部

4月12日の報道で兵庫県養父市の広瀬栄市長が「国家戦略特区の推進に遅れが出ることが心配だ」と懸念を示された。養父市は国家戦略特区として農業分野で指定されている自治体である。特区というと今治市の「国際水準の獣医学教育特区」しか聞いたことがなく、ネガティブな印象を持つ人も多いだろう。

日本には282事業の国家戦略特区が認定されており、私の地元藤沢市は神奈川県全域で国家戦略特区として認定されてもいる。さまざまな規制改革分野が認定され進められている。国家戦略特区は日本に必要な事業であることをまずお話ししたい。

特区制度は2003年に小泉内閣時代に始まったものであり、全国一律だった地方自治に風穴をあけるために行われたものである。北九州国際物流特区や青ヶ島の島焼酎特区などが認定された。地域を限定した規制緩和の特例措置、民間や自治体からの提案を内閣府が承認し実施し、効果的なものは全国に拡大されるという内容で始まった。

特区制度はこの後、規制緩和だけではなく、税制・金融・財政の支援が必要であったと反省され、2011年には民主党政権下で総合特区に発展した。総合特区では地域活性化総合特区と国際戦略総合特区がメニューになり、代表的な事例として、東京都アジアヘッドクォーター特区や埼玉県の次世代エネルギー・スマートエネルギー特区などが認定された。

安倍政権になってからの2013年、総合特区を統合的な特区指定による力強さと、自治体からだけでなく国も提案からコミットし、より戦略的な取り組みをしていこうとなった。ここで漸く国家戦略特区がはじまったのである。国家戦略特区は都市の国際的競争力の向上に重点をおき、国が重点地域を指定し、特区選定から国がコミットメントするシステムである。上記の養父市の農業改革特区や今治市の獣医学部新設特区など含め282事業が指定されている。

かなり端折った説明ではあるが概要は上記のとおりである。日本においての特区制度とは、地域活性化からはじまり国際戦略にいたるまで多岐にわたり議論され、2018年の今に至るまで、15年間もトライ&エラーを繰り返し出来上がった制度である。その間には政権交代まで挟んでいるものである。今治市の問題も、エビデンスも示さず疑惑だ疑惑だと騒ぐ元民主党の議員の方々には、自分たちも作ってきた特区制度がそんな程度で止めてよいものだったのかと再度苦言を呈したい。官僚が手続き上おかしな判断をしたということがあれば、改善するための政策提言を行うべきである。議会を再三再四ボイコットするなんてことは国民に対して失礼極まりないことである。

日本経済をより成長させるためには、様々な規制と真っ向勝負していかなければならない。岩盤規制の壁にドリルで風穴を空け、風通しを良くするのだ。規制の緩和を通じて、自由度を高める、自由化の深化をはかることが重要だ。新しい技術の波を的確に把握し、人々と社会全体の役に立つ具体的な「道具」を創り出していかなければならない。我が国でも今通常国会で、より高いレベルの規制の緩和を行う「規制のサンドボックス(砂場)制度」の創設を目指している。必ず、可決成立させたい。

昨年、規制緩和としての生産緑地法改正に私自身も丹念に取り組み、様々なステークホルダーの方々と調整し成立させた。私の地元、神奈川県藤沢市では都市部では初めての農家レストランが5月中旬にオープンするという一つの成果を出せたが、規制緩和を行っていくことにかけるパワーは尋常ではないということも再認識させられた。

国家戦略特区一つ一つも多くの人が携わっている。ましてやすでに事業も始まっている獣医学部新設特区について確固たる証拠もなく、追及を続け国会を止めることが果たして日本の将来のために良いことかどうか、皆さんも一緒に考えていただきたい。日本は規制改革で世界を振り切ってリードできるようなスピード感のある国になっていかなければならない。子供たちに大きな夢を見てもらえる日本を皆さんとつくっていきたい。

星野 剛士(ほしの つよし)衆議院議員(神奈川12区、自由民主党)

1963年生まれ。日本大学卒業後、産経新聞記者、神奈川県議(3選)などを経て、2012年衆院選で初当選(現在3期)。第3次安倍改造内閣では、経産省・内閣府・復興庁の政務官を勤めた。現在は衆院では、予算委理事、経済産業、原子力問題調査特別委、政治倫理の確立及び公選法改正に関する特別委の各委員、自民党では、国会対策委員会副委員長。公式サイト

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