ひとり親家庭のXデーを救った病児保育

2017年12月某日夜。
病児保育の予約とともに、こんなメッセージが届きました。

『現在、看護専門学校に通っており、明日、期末試験があるため、保育をお願いさせて頂きたいと考えています。』

メッセージを送ったのは、病児保育の「寄付によるひとり親支援プラン」を利用するNさん。

4歳の女の子を育てているシングルマザーです。

ひとり親家庭の方が、明日、看護学校の期末試験!

メッセージを読んだ病児保育の予約担当は「これはなんとしてでも無事に手配しなくては!」と思いました。

折しもこの時期はインフルエンザなどの感染症が流行し、病児保育の予約も増える時期。

当日朝8時までにいただいた依頼には100%派遣を約束しているフローレンスの病児保育ではありますが、それだけ予約対応の現場は忙しく情報が飛び交っています。

万が一にも、保育の開始時刻が遅くなり、試験に影響が出てしまったりしたら大変……!

スタッフはいつもよりなおいっそう丁寧に細かく、想いを込めてこどもレスキュー隊員(病児保育の保育スタッフ)の手配を行いました。

そして、Nさん宅への病児保育派遣は無事行われ、お子さんはこどもレスキュー隊員と一緒に、自宅でゆっくり過ごすことが出来ました。

保育終了後には
『本日は本当にどうも有難うございました。おかげさまで、安心して期末試験を終えることができました。また、娘は、「ずっと一緒に遊びたかったなー」と、風邪にもかかわらず、とても喜んでいました。』

とメッセージをいただき、Nさんが無事期末試験を受けられたことに、関わった誰もがほっと胸をなでおろしたものです。

それから3ヶ月後。
Nさんから1通のお手紙が届きました。

Nさんは2年間の支援期間を満了し、「寄付によるひとり親支援プラン」を卒業します。
届いたのは、2年間の支援への感謝のお手紙でした。
WN180405-1

『フローレンスの皆様
大変お世話になっております。

ひとり親支援制度でお世話になりましたNです。

この度、看護専門学校を卒業し、昨日、看護師国家試験の合格通知が届きました。

これも皆様に支えて頂いたおかげです。

娘はいつもレスキュー隊員の方々を「先生!先生!」と言い慕っており、私は安心して学業に専念することができました。

フローレンスの支援がなければ学校を卒業することも、看護師の資格を取得することも難しかったと思います。

本当にありがとうございました。

心よりお礼申し上げます。』

また、お手紙にはお子さんからこどもレスキュー隊員へのお手紙も同封されていました。

WN180405-2

Nさんは、お子さんを育てながら社会に貢献できるようになりたい、と看護師を目指して看護専門学校に通っていました。

しかしお子さんがインフルエンザや風邪に罹り看病することで、病院実習を欠席することが何度かあり、教員から「このままでは学業の継続は難しい」と言われてしまっていました。

「看護師になりたい」との想いから、フローレンスのひとり親支援プランに申し込みをいただき、病児保育サポートを受けながら看護専門学校に通い続けたNさん。

期末試験の前日にお子さんが発熱してしまっても、フローレンスの病児保育を利用できたことで試験を受けられ、無事国家試験も合格することができました。

きっとNさんはこれから看護師として活躍し、たくさんの人を助けていくことでしょう。


Nさんの利用していた病児保育の「寄付によるひとり親支援プラン」は、寄付会員のみなさんからのご支援により成り立っています。

寄付でひとり親家庭を応援する!


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年5月23日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。