電力業界の貴兄へ。ブロックチェーン知らないと危険です

2018年05月25日 11:30

ちょっとトホホなことがあったので読者貴兄に共有させてください。

守秘義務があるので、ぼかして、身バレを防ぐためにフィクションを随所に挿入して書きます。

4月のゴールデンウイークに入る直前に渋谷の大きな会議室で、ある大手エネルギー企業主催でアクセラレータープログラムのコンテスト発表会がありました。社外のベンチャーの卵10名がピッチに登壇して、アイデアを競う今流行のオープンイノベーションプログラムです。

数ヶ月インキュベーターの元で選ばれた社外のベンチャーの卵が、専門家の指導を受け、POCを行い(Proof of  concept)、プレゼンの準備を重ね、最終的には経営トップの前で30分プレゼンするといういわゆるピッチですね。。

出来が良ければすぐに事業化というルールでした。その経営陣の後ろには同社の社員が各地から動員されて数百人を超える観衆が固唾を飲んで見守っていました。私は後ろの方でゲストとしてその一部始終を拝見していました。

で、平日の朝から夕方までお昼をはさんで5時間にわたって、その10人の社外ベンチャーの提案が次々と発表されて行きました。このうち9人の提案は失礼ながら大変凡庸なものでした。

例えば、その会社の顧客基盤を利用して決済ビジネス、アリペイみたいなものを始めたいとか、高齢者の老人ホームを始めたいとか、誰でも考えつくやつです。その中で、一つだけ超絶に優れた発表がありました。それは商社出身のMBAホルダーの女性が提案した「ベンチシャーブロックチェーンを活用した電力のリアルタイムP2P価値取引ビジネスモデル」でした。

私は、2つの意味でギョッとしました。一つは、そのビジネスモデルが圧倒的に素晴らしく、しかも古い体質のスポンサー企業に創造的破壊をもたらす最高の提案だったこと。もう一つが私のビジネスモデルと瓜二つだったことです。

で、そのイベントのフィナーレに、仰々しい音楽とともにランキングが発表されます。最下位から順番に。いわゆるAKB総選挙のようなものを想像してください。下から順番に点数が発表されて行き、上位3組が登壇してトロフィーをもらいます。

みなさん、その女性の発表何位だったと思いますか?

なんと、最下位だったのです。それもぶっちぎりの最下位。

で、もう会社にもう7年も君臨する68歳の総務畑出身の代表取締役会長が総評でこういい放ちました。もう少し丸い言葉でしたが、会長が言ったことは概ね以下のようなことです。「p2p?ブロックチェーン?そんな提案もう聞き飽きたよ。流行り言葉に飛びついて。リアリティがないんだよ。悪いけど。儲からないよ、それ。だいたいブロックチェーンなんて何千万円もかかるんだよ。私は知っている。投資回収はできない。」

私は、大変驚きました。最下位です。最下位。こんないいダイヤモンドの原石が。そのオールドな会社を救う救世主が。その会社はスローガンに「創造的破壊」を行っているのにです。で、トップをとって即事業化が決まったのは、とても凡庸な言葉にしたくもない提案でした。

日本のエネルギー業界は大変古い頭の人たちが、真ん中にいます。茹でガエルの彼らは世の中が変わっていることに気づかないのです。そういう人たちのブロックチェーンに対するリアクションは二つに分かれます。

「そんな流行りものはダメだ。ビットコインバブルだ」
「ブロックチェーンすごいですね。でも私には難解すぎて」

でもIoTの進行とともにブロックチェーンは着実に浸透して行きます。IoT時代におけるブロックチェーンはインターネットのようなものです。

私はエネルギー業界の人にこう言ってあげたい。

「光通信株にようなITバブルは崩壊したけど、あなたインターネット使っていますよね。あなたインタネットの基盤技術知らないけど、スマホ使ってますよね。」

彼らは2つ大きな誤解をしています。「ブロックチェーンは高い」です。高くないんです。私は300万円で作りました。

米Amazonが誰でも容易にブロックチェーンを立ち上げられるサービスを発表しました。当然の流れですね。ブロックチェーンのクラウド化です。

もう一つ誤解はエネルギー村は参入障壁が高くて、オールドの人だけで成り立っていて、新規参入者はほとんどいないという誤解です。確かに3年前まではそうでした。でも今は全く違います、実は今、インターネット黎明期に、ちょうどホリエモンがライブドアを立ち上げた頃にIT業界で活躍した猛者が次々と参入しています。例えば

Aerial Lab Industries New Technologies Firmという会社があります。

Aerial Lab Industries社は、最先端の技術エンジニアとトップコンサルタントが率いる、 次世代テクノロジーを研究開発している会社です。
大手企業様とのテクノロジービジネス経験を有する戦略コンサルタントチームと、 トップレベルの、ドローン(無人小型飛行機)、マイニングマシン、ブロックチェーンプラットフォーム、ホバーバイクの技術開発を行うエンジニアチームが、 クライアント様が構想する次世代ビジネスを導入から実運用まで包括的にサポートいたします。

この会社の代表取締役CEO兼CTOの小松周平さんと先日お目にかかりました。この人天才です。東京大学大学院で先端エネルギー工学専攻修了し、外資系投資銀行、ヘッジファンドにてシンガポール・ロンドンにおいてトレーディング業務に従事したあと2017年2月にALIを設立しました。この会社すごいです。会った瞬間に惚れました。

他にも、国際航業の樋口悟さん。この人も異業種参入組です。この方は、太陽光と蓄電池の経済効果をシミュレーションするエネガエルを担当されています。すごい人です。この方も会った瞬間にご一緒したいと思いました。

嬉しいことに、株式会社電力シェアリングが少し有名になったので、夏野剛さんとか落合陽一さんとか、こういったカッ飛んだほと達との交流の機会が増えています。みんな電力業界が面白いと言ってくれています。

このように、エネルギー業界も新しい人々が入ってきてわさわさしてきていますので、伝統的な企業の「中の人々」もぜひ柔らかい頭でブロックチェーンを受け入れていただければ幸いです。ブロックチェンは決して魔法の杖ではないですが、畏怖の念を持って忌み嫌うものではないというものです。伏してお願い申し上げます。

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酒井 直樹
株式会社電力シェアリング代表

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