W杯で噴出、問われる韓国の「ファウル」感

激しいプレーを見せる韓国代表だが…(大会公式Facebookより:編集部)

遵法精神はどうなっているのか?

盛り上がっているサッカーW杯。日本の試合についての解説は他の方に譲るとして、もう一つ話題になっているのが、韓国チームの「ファウルの多さ」。対メキシコ戦ではメキシコのファウル数7に対し、韓国は24と実に3倍以上に達した。史上最多のファウル数で、これにはメキシコの監督も激怒。

中央日報は〈メキシコに勝ったのはファウル・警告だけ…20年後退した韓国サッカー〉という記事を掲載。さすがに批判的に報じているか……と思いきや、読んでみるとファウルが多かったことについて「20年後退した」と言っているのではない。

韓国は初戦のスウェーデン戦でも23のファウルを取られている。なぜこんなことになってしまうのか。フェアプレーよりも勝利を重んじすぎてしまう(?)韓国のスタイルについて、以前雑誌に書いたことを踏まえつつ考えてみたい。

振り返れば、02年のサッカーW杯日韓共同開催での、韓国の不正の数々を覚えている方も多いことだろう。日本ではこの「共催」時の韓国の余りの振る舞いに怒り、しかも韓国の不正やアンフェアな態度がメディアで報じられないことに対する不満から「ネット右翼」が生まれたという神話まであるほど。

自国開催のW杯でどうしても好成績を上げたかった韓国は、選手、審判の買収を行い、韓国選手のファウルの見逃し、相手チームのゴールを認めないなどあらゆる手段を使って、ベスト4入りを達成した。

しかもそのことを「02年W杯10周年記念式」の席で、鄭夢準韓国サッカー協会名誉会長(当時)が「ゼップ・ブラッターFIFA会長が『02年ワールドカップの時、鄭夢準が審判を買収して(韓国が)4強まで行った』と話した」と、自ら明らかにしている。

02年に最も被害を受けたのは、韓国と戦ったイタリアチーム。韓国人選手の故意の体当たりがなぜかイタリア選手のファウルになったり、オフサイド認定によりゴールが無効判定されたりという災難が続いた。さらには明らかに故意のタックルを受ける、スパイクで蹴りつけられた選手が怪我、肘鉄による流血などなど……。

当然、イタリアチームの選手たちの怒りは試合後も収まらなかった。雑誌『Number』(2002年7月4日発売、535号)では、韓国戦で「反則で退場」(のちに審判が誤審を認めた)をさせられたトッティ選手が無念の思いを述べている。

「韓国との延長戦で、イタリアが挙げた2点目のトンマージのゴールデンゴールは何の問題もなかった。あのゴールで間違いなく勝敗を決していたはずだ」

「審判のああいうばかげた誤審がなければ、僕たちはこんな憂き目にあうことはなかったと思うよ。敗れてイタリアの空港に着いた時も、多くのファンは冷静だったろう? イタリア代表が主審や副審にどういった仕打ちを受けたのか、みんなもTVを見て分かってくれたんだろう」

一方、当の韓国はというと、悔し涙に暮れるイタリア選手を「負けても敗北を認めない。ぼろぼろ涙を流すマザコン男」「イタリア選手たちはサッカーを最初から学ばなければならないようだ」(東亜日報スポーツレジャー部次長・金華盛記者の記事。02年6月24日付)と罵るなど、不正以前に、スポーツマンシップを疑われる記事を掲載。

では韓国男は泣かないのかと思いきや、今回のW杯・スウェーデン戦で自らのファールでPKをとられた韓国代表のキム・ミヌ選手は試合後、号泣したとか。

「ボロボロ泣くイタリア男はマザコン」発言はヘイトスピーチに近いのではないかと思われるが、実はこの02年の遺恨が2014年に思わぬ形で噴出。2014年5月に行なわれたイタリア杯決勝、ローマvsラツィオという大舞台で、当時韓国の大スターと言われていたPSY(『江南スタイル』が流行)が、試合前のイベントに登場し、大ブーイングを浴びた。

当然、02年の汚辱をイタリア人が忘れていなかったからなのだが、韓国側はこれを「ブーイングは人種差別だ」と非難したという。自分のことは棚に上げるにしても、あんまりではないだろうか。

「戦争よりもきつい復讐を」!?

前回大会でも韓国は「目立って」いた。

2014年W杯予選で2013年に韓国と戦ったレバノンのテオ・ベッカー監督は「最後に私たちは審判に負けた。彼は韓国の12番目の選手だった」と述べて審判の買収を臭わせた。

同じく予選のイラン戦で負けた韓国は、崔康熙監督自ら「アウェーで酷い待遇を受けたことを覚えている」「イランがもっと憎い」と発言。確かに入国許可などで手間取ったという情報もあるが、「憎い」は言い過ぎだろう。

さらには選手からも「戦争よりもきつい復讐をする」(金信旭選手)、「金信旭先輩は『イランが韓国に来れば殺してしまわなければいけない』と話していた」(尹錫栄選手)など、およそサッカーの試合とは思えない発言が飛び出し、しかもこれを中央日報が堂々と報じていたのだ。

しかもこの韓国対イラン戦はイランが制したのだが、韓国人チームスタッフがイランの選手を殴ったうえ、なぜか韓国がイランを訴えると言い出す事態に発展した。

政治・外交問題で韓国との間に軋轢を抱える日本としては「韓国はサッカーでもこうなのか」と思わずにいられない。

日大アメフト部もびっくり

もちろんサッカーは「ファウルになるかならないかギリギリのプレーで相手を止める」ことが要求されるスポーツではあるが、韓国メディアの論調を追うと、冒頭の中央日報をはじめとしてどうも「ファウルはやってはいけないこと」「ファウルにならないようにやらなければならないのがルール」だと認識していないのでは? とすら思えてくる。

スポーツ・ソウル紙に掲載された記事では「ファウル作戦」なる文言まで見られる。

〈韓国は、序盤から相手を圧迫しながら多くのファウルを記録した。イ・ヨン、イ・スンウ、キム・ヨングォン、チョン・ウヨンの4選手が警告を受けた。前半に12回、90分で24回の反則だ。平均すると、4分に1回のペースでファウルを記録した。だが、決定的な場面ではファウル作戦も通じなかった〉(スポーツ・ソウル

やはり勝利至上主義なのだろうか。日大アメフト部の危険タックルも、韓国なら非難されないのではと思ってしまうような違和感のある論調だ。韓国のフェアプレー精神が問われている。