岸田氏の立候補中止が正しい判断である理由

2018年07月26日 09:30

NHKニュースより:編集部

自民党総裁選挙に岸田文雄政調会長が出馬しないことになった。野党支持層から意気地なしとか、 『蛮勇の士になれない自民党内「紳士」の限界』とかいう批判が出ているが、それは、自民党の混乱を願う立場から残念だったというだけのことで、いじましい評論だ。

だいたい、野党は安倍政権に正々堂々と政策で勝負を挑むべきで、自民党内の権力抗争を期待したり、モリカケのような些細なスキャンダルを針小棒大に騒ぎ立てて自民党内での政権たらいまわしを期待するのは邪道で情けない限りだ。そんなことやってる限り、政権奪還など夢のまた夢だ。

今回、岸田氏が出馬を断念したのは、まことに自然なことだ。つねづね、いっているように、平均以上のトップリーダーの在任期間は、8年から10年といったところがむしろ標準で、それでこそ外交的にも好ましい仕事ができる。

その意味で、世界のトップリーダーとして絶好調で、経済も順調、陛下の交代やG20を控え、支持率も低下してもすぐ元に戻っている状況で、交代するのはそもそも常識的でない。

岸田氏が出馬するとしたら、石破茂氏が善戦して一般党員投票で前回並みにトップに立ち、際どい勝負となった場合に、あるいは今後、安倍首相が退陣に追い込まれたような場合に、次は石破氏という相場ができていてしまうことを阻止して、ナンバーツーの地位を確立する、少なくとも石破氏と争うという目的以外にありえない、

そもそも、安倍首相の支持率は回復基調にあり、石破氏と分け合うほどの安倍批判票は存在しそうもない。

また、自民党支持者への世論調査では、石破氏は大きく安倍首相に水をあけられており、一騎打ちの場合、各都道府県ごと情勢判断でも、議員投票はおろか、一般党員投票でトップになる可能性はないことが、はっきりしてきた。

そうなると、岸田氏に立候補のメリットはほとんどない。逆に立候補することで、安倍支持派にとっての禅譲候補としての地位を失いかねない情勢である。

このような情勢では立候補取りやめは、ごく自然なことだと思う。これまで判断を待ったのも、安倍支持率がそれほど落ちないこと、石破人気が上がらないことを見定めるタイミングまで待ったというだけで正しいと思う。

ただ、将来のことは分からないなどといわずに、いつでも、準備は整っているし、首相になった場合のビジョンもあるということを国民にアピールしておくことだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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