太田栄転・柳瀬退職・佐川更迭は妥当な人事だ

2018年08月01日 21:00

太田、柳瀬、佐川の3氏(国会インターネット中継:編集部)

経済産業省の柳瀬唯夫・経済産業審議官の退任が決まったのが「トカゲの尻尾切り」ともいわれているが、私は妥当だと思う。財務省でも佐川宣寿国税庁長官が更迭され、太田充理財局長は主計局長に栄転した。

嘘をついてわけのわからん隠蔽工作までした佐川氏や、ぶっきらぼうに記憶にありませんを繰り返した柳瀬氏と、見事な答弁で国民にかなりの説得力を発揮し、野党まで攻めあぐねて逆にヨイショした太田氏がそれぞれの答弁にふさわしく、「事実上のクビである更迭」、「留任しておかしくないが不自然でもない自然な退職」、「間違いない栄転」と区別されるのはごく自然のことではないのか。

もちろん、柳瀬氏の場合には、国際交渉の責任者としての本来の仕事のほかのところであれだけ虐められたら、疲れ果ててもう勘弁だったということもあるかもしれない。

根強い見方として、安倍首相や菅官房長官が、佐川氏や柳瀬氏の全否定答弁を評価しているという説があり、一方、太田局長の際どい闘牛士のような答弁については、自民党の和田政宗参議院議員が「アベノミクスを潰すために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか」と攻め、太田局長が「それはいくら何でも、それはいくら何でもご容赦ください!」と答弁したこともあった、

しかし、佐川氏や柳瀬氏の答弁は墓穴は掘らずとも、国民の心証を著しく傷つけたのだから良い答弁とはいえなかったのであって、私が官僚として答弁にたつなら太田局長のような全否定でない自然な答弁をしたいと思った。

そういう意味で、太田局長のような答弁を総理や官房長官が評価したとすれば良いことだし、官僚の答弁が木で鼻をくくったようなものから、よりフランクで説得力のあるものに変わっていく契機になればよいことだと思う。

なお、太田局長が会計検査院に対して、報告の内容を金額でなく重量で書くように工作するように部下に命じたとされることに批判的な論調もあるが、一般に会計検査院から不適切であることを指摘された場合に、少しでもにっちもさっちも行かなくならないように表現を和らげてもらうのは、指摘を受ける官庁としては当然の抵抗である。

それをいけないというのは、裁判で被告や弁護士が判決を自分に有利なようになるように、抵抗するのと同じで、それを批判するのはお門違いだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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