バロンズ:波乱が訪れやすい9月、今年は何が起こるのか

2018年09月03日 06:00

バロンズ誌、今週のカバーはインデックスの入れ替えに注目する。FAANGやFAAMG、GAFAなどで知られる大手テクノロジー企業は、人々の生活に重要な地位を占めるだけでなく、株式指数でもシェアを広げてきた。S&P500構成企業のリターンは過去5年間で14.5%高である一方、アルファベット、アップル、アマゾン、フェイスブックの4社は33.7%高とその優位性は明らかだ。しかし、S&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ブッツァー会長は、セクターの分類を変更し、こうした銘柄を分ける方針を示した。

例えばS&P500やMSCIは、グローバル・インダストリー・クラシケーション・システムによってセクター分類を行ってきたが、S&Pは新たにコミュニケーション・サービスを追加する。今後はアップルがテクノロジーに、アマゾンが一般消費に、そしてアルファベットとフェイスブックはコミュニケーション・サービスに組み込まれる。11セクタ—中、コミュニケーション・サービスはIT、ヘルスケア、金融に続き、一般消費と並び時価総額で4番目に大きなセクターとなる見通し。ITセクターはマイクロソフトやインテルなどよりハードウェア寄りとなるだけでなく、時価総額の比率はS&P500の26.5%から23%へ低下することとなる。S&Pは12月3日から入れ替えに踏み切る予定だが、セクター追加によって何が起こるのか、詳細は本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォールストリート、今週は9月の季節性にスポットライトを充てる。抄訳は、以下の通り。

米株は夏を乗り切ったが、9月がやって来るーStocks Roll Through Summer’s End. But Now Comes September.

4月が最も残酷な月ならば、8月は夏休みを挟んだ最も甘やかな月だろう。特に投資家にとってはそうに違いない。S&P500とナスダックは5ヵ月連続で続伸しただけでなく、それぞれ月足で3%高、5.7%高を遂げた。ダウは2.2%高で取引を終え、1月26日につけた最高値まで、あと2.4%に迫る。ウィルシャー・アソシエーツによれば、時価総額は8月に1.1兆ドルも増加した。トランプ大統領は「米株で大儲けした人々、あるいは401Kが予想をはるかに上回るペースで上昇した人々の全てにとって、もっと良いニュースが舞い込んで来るだろう」とツイートしたものだ。しかし、NY大学のエコノミスト、エドワード・ウルフ氏のリサーチによれば、米株を84%保有する米国人富裕層10%に当てはまるだけだ。

S&P500、8月は7ヵ月ぶりに最高値を更新。

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(出所:Stockcharts

とはいえ、8月31日にはバッドニュースが飛び込んだ。米国・カナダ間のNAFTA再交渉は合意に漕ぎ着けられず、トランプ大統領は2,000億ドル相当の中国製品に追加関税を賦課する見通しだ。さらにトルコ、アルゼンチンのほか南アフリカ、インドネシアなどエマージング国通貨の下落は止まらず、イタリア債の利回りは上昇を続けている。

そして、9月がやって来る。マーク・トウェイン氏の名言をもじるなら、9月は米株にとって危険な月だ。1950年以降、9月はダウとS&P500にとって最悪の月で平均リターンはそれぞれ0.7%安、0.5%安となる。また、世界を揺るがす大事件が発生する時期としても余りにも名高い。同時多発テロ事件をはじめリーマン・ショックなどが直撃し、ダウは当時それぞれ11.1%安と6%安も落ち込んだ。ちなみに、最も下落した年はITバブル崩壊後の2002年で、12.4%安を記録した。

9月のスタートを飾るのは、レーバーデー明けの週に発表される米8月雇用統計だ。足元で市場予想は前月比19.0万人増、失業率は3.8%、平均時給は前月比で0.3%、前年比で2.8%の上昇が予想されている。一方で、9月25〜26日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、2.0〜2.25%への追加利上げが94.8%、12月18〜19日開催のFOMCでは63.6%織り込まれ。年2回の利上げがコンセンサスとなる状況。2019年となれば、話は別だ。

前回6月のドットチャートによれば、2019年末は3.1%で年内の2回と合わせ5回の利上げが予想されるが、FF先物市場を大きく上回る。ドットチャートに大幅な変更がなければ、9月26日に行う記者会見でパウエルFRB議長は説明責任を果たなければならないだろう。ただ、通商問題、中間選挙を控え、政治的にどのような事態が生じるかは誰にも分からない。不確実性を前に、読者が少なくとも夏を満喫したことを望む。


9月と言えば、リーマン・ショックから10周年を迎えます。”ウォール街を占拠せよ!”はすっかり鳴りを潜めた感がありますが、足元でバーニー・サンダース上院議員の支持を受けたサンダース・チルドレンの活躍が目覚ましい。もしかすると、10周年目の節目を迎え、再び格差縮小運動が火を吹く可能性には注意したいところです。米株高の恩恵を受けていないなら、トランプ大統領がツイッターで煽ることもあり、尚更です。

(カバー写真:Ken Lund/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年9月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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