沖縄知事選の敗因はアベノミクスの恩恵という皮肉

2018年10月01日 07:30

沖縄知事選挙は翁長雄志知事の後継である玉城デニー氏の勝利に終わった。玉城氏が55%強というのは、かなりの大差だが、それでも、ダブルスコアに近いという当初の劣勢をよく挽回したともいえる。

NHKの当確をうけ万歳する玉城氏(Facebookより:編集部)

その敗因を辺野古基地移転反対とか安倍政権批判とみるべきでない。
佐喜眞淳氏の後任を争った宜野湾市長選挙は危なげなく佐喜眞後継の松川氏の勝利。県議補選は1勝1敗なのが証拠だ。

敗因を出口調査と同時に行われた他の選挙と比較分析すると、

①翁長雄志前知事の弔い合戦ムードを克服できなかった
②玉城デニーの格好良さが女性票・浮動票に強かった
そして、
③アベノミクスの恩恵で沖縄経済は絶好調で経済を論点に出来なかった
である。

玉城デニー氏は、当選の弁で、「順調な経済を、これからもしっかりと伸ばしていく」といったが、アベノミクスの恩恵をもっとも受けたがゆえに、それが原因で知事選で敗北したのでは皮肉だ。これまで保守が勝ったのは、だいたい、経済不況や失業が原因だった。ところが、今の沖縄は翁長氏の功績ではまったくなくアベノミクスのおかげで人手不足なのである。

これからだが、翁長前知事については、もしかして良識ある立場にもどってきてくれるのでないかと甘やかしたことが悔いを残すことになった。玉城氏にスタンドプレーなど許さないようにすることがよいと思う。沖縄では現職知事も強くない。4年後には今回の戦いの効果が必ず生きるはずだ。

その一方で、気になったのは、安倍首相自身や安倍内閣の沖縄での不人気だ。このあたりについては、改めて分析したい。

また、政局への影響だが、これは複雑だ。今回の選挙では、自民党の竹下派、公明党、維新の奮闘が目立った。そういう意味では、もし勝利していたら、竹下派の発言力は大きくなっていたと思う。

そういう意味では、竹下派もまた賭けに失敗したといえるかもしれない。ちなみに翁長氏は様々な意味で竹下派の政治家であった。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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