【特報】都民ファースト崩壊の序曲?集団離党はあるのか

2018年10月08日 06:01

都議会第1党、都民ファーストの会から、複数の新人都議が離党を検討していることが7日、わかった。離党となれば、昨年10月の衆院選直前に新会派を結成した音喜多駿、上田令子両氏に続く動きとなるが、この連休中に党内外から慰留・離党を含めて猛烈な働きかけがなされているとみられ、実際に離党に動くかは五分五分の情勢だ。

都民ファーストの会で亀裂(左回りで小池氏、荒木氏、斉藤氏、森澤氏=都議会サイト等より編集部引用)

しかし、複数の新人都議が、党の方針を公然と批判するブログを相次いで投稿して波紋を広げたことで事態は緊迫している。また、所属都議の総会が紛糾していたことも判明した。9月末の沖縄県知事選、品川区長選では小池百合子氏が応援していた候補がともに破れて、求心力低下を裏付けたが、仮に今回の集団離党がなかったとしても、都民ファーストの会が分裂含みの不安定要素を抱えるのは間違いない。

ブログで続々と「造反」

森澤氏:公式サイトより

複数の都政関係者によると、亀裂が深まったきっかけは、品川区長選挙(9月30日投開票)で、同会が容認・推進する立場だった「羽田新ルート撤回」を公約に掲げる候補を推薦したことだ。また、同候補の支援で足並みを揃えた国政野党の中に、共産党がいたことも波紋を広げたとみられる。

党の明らかな「矛盾」する姿勢について、所属都議で、地元品川区選出の森澤恭子氏は「公約矛盾ののち何が残るのか」と題するブログを投稿し、アゴラでも掲載した。

森澤氏は

「新ルート撤回をメインの公約に掲げる候補を推薦し、応援することは、私たちが都議選で公約したことや議会でとってきたスタンスと矛盾すると考えました」

「知事と東京都が進めている政策を否定することにもなる」

などと、党執行部を批判する姿勢を鮮明にしている。

斉藤氏:ツイッターより

このブログは5日の都議総会で問題視され、集中砲火で非難された森澤氏は涙目になっていたとの情報もある。また、同日の第3回定例会終了後に恒例行事の打ち上げに、森澤氏のほか数人の新人都議が急きょ欠席したという。

欠席したとみられる都議の1人が、レゲエ歌手「lecca」として知られる斉藤礼伊奈氏(多摩市・稲城市選出)。斉藤氏はきのう7日、「財源の裏付けある政策提言を行うことこそ、責任ある政党の務め」と題するブログを投稿。都ファ議員らが賛意を示している給食無償化について、

「バラマキ政策とも取られかねない行為」

「福祉の視点から鑑みても、教育無償化を為すよりもまず学校等での朝食クラブを実施する方がよほど効果的であると考えます。6人に1人が朝食を食べずに登校して集中力を切らせた状況で授業に臨んでいる現在、子供達の学習効果にも好影響の大きい朝食を学校の場所で提供することができれば学力向上にも良い成果を上げることができると昨今有識者からの提案が多数届いています」

などと政策的効果を疑問視した。注目される去就については

「今は都民ファーストの会の1都議として、党の公式見解や変容の推移・経緯などを、しっかりとその都度確認をして自分の考えとともに発信して行きたいと思います」

としながらも、

「万が一選挙応援等でこれまでの政策や公約に変容がある場合は、あらゆる手段で有権者の皆様にお伝えしていくことが責務であるとも感じています。現時点でそれがあるのかどうか、現在確認中でもあります」(太字は筆者

などと執行部をけん制。「あらゆる手段」に離党も視野に入れている可能性も感じさせる。

ほかにも離党を模索の動き

さらに筆者の取材では、森澤氏、斉藤氏ら造反的な行動をみせている新人都議以外にも、すでに水面下で関係者や党外に去就の相談をしている都議も複数いる。

離党を検討している人たちを含め、都民ファーストの会で初当選した都議は、政治の世界でこそ新人だ。しかし弁護士や会計士といった社会的地位の高い国家資格ホルダーや有名企業で活躍した経歴を持つ「ハイスペック人材」が多く、4000人が集まった政治塾から選ばれただけはある。森澤氏も日テレ記者や森ビル広報などを歴任。斉藤氏は歌手としてメジャーデビュー、藤原紀香さん主演ドラマの主題歌に起用されるなど音楽界での活躍で知られている。

これに対し、現在の執行部は、小池知事の秘書あがりの荒木千陽代表をはじめ、旧民主党の落選組から復活した「ゾンビ」都議たちも含め、20代のうちから秘書などとして政治の世界に入り、特殊な世界しか知らないキャリアパスの人が少なくない。民間でずば抜けた実績・能力を示してきた新人都議たちと波長が合わないだろうと、筆者は予想していたが、小池氏の求心力低下に伴い、そうしたバックボーンの違いが隠せなくなりつつあるのではないか。

いずれにせよ、都民ファーストの会の「お家騒動」は、大山鳴動してなんとやらになるのか、それとも本当に瓦解へと向かうのか。すでに他会派の都議たちの間でも「離党者リスト」に関する噂もあるようだ。都庁クラブに加盟する新聞やテレビが静観しているのは離党の可能性と報道のタイミングを探っているからと思われるが、今後の展開に引き続き注目したい。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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