社内のネガティブチェッカーに要注意。「決断力」を磨く!

理想的な自由な人生を生きるために、必要なものはなんだろうか。本当に自由に生きるために必要なものは、「自分で決める力」、ただこれだけである。「自分で決める」ということは、人生の主導権を自分で握るということでもある。

今回は、『自分で決める。すべてがうまくいく最強の力』(きずな出版)を紹介したい。著者は、事業家として活動する権藤優希さん。

「わかりました。上の者と相談します」

会議や商談の場で大きな判断に迷ったとき、困ってしまったことはないか。多くの人は自分で決めることができず、決断を先延ばしにしてしまう。

「本当はその場で決めるほうが会議や商談が前に進むし、顧客にも喜ばれます。わかってはいるけど、即決断となると……。確かに、その気持ちはわかります。そこにあるのは、次のような7つの心の声です。
(1)自分の判断が正しいかどうか、自信がない
(2)責任はとりたくない
(3)言われたことだけをやっているほうが楽だ
(4)間違った判断をして、まわりに迷惑をかけたくない
(5)上司や会社がどうにかしてくれる
(6)どうせ自分の意見は通らない
(7)努力しても、正当に評価されたり、給料が上がるわけではない

このような心の声が決めることを阻むストッパーになっています。」(権藤さん)

「逆に『わかりました。その企画やりましょう。上には私から話を通しておきます!』。こう言えたら、どんなに仕事が楽しくなるか想像してみてください。閒違いなく生産性が上がり、周囲からは頼りにされ、あらゆる環境が劇的に変わることでしょう。」(同)

自分で決めることができずにくすぶっている人もたくさんいれば、どんどん結果をつくっている人もいる。あなたも心のどこかでそのことに気づいているはずである。

「決断力」に優れた人とは

「決断力」は食事のメニュー表から料理を選ぶのと同じ。いつまでたっても決められない人は推進力に欠けている。このクセは仕事にも影響を及ぼし、失敗を恐れるあまり、決断ができない。思考の切り替えもできずに、悩む傾向がある。会社でも出世はおろか、転職にも失敗する。何をやるにも、迷いがつきまとい、全力投球できない。

このタイプの人は、口癖ですぐに判別できる。まず、「でも、だけど」などの言い訳が多い人。「最初からそうなると思っていた」「わかりきっていたよ」のように、自分も考えていたけれど実行しなかったという言葉もお決まりである。温厚で優しいのではなく、ただの弱気の臆病者だったということである。別名、ネガティブチェッカー。

会社の人事・総務などのコーポレート部門にはネガティブチェッカーが多い。なにかをやろうとすると、リスクを主張する。彼らの主張は、「リスクをゼロにすれば失敗する危険性が無くなる」というもの。しかし、そのような主張がモチベーションを下げていくことに気づいていない。このような時は、とにかく行動する以外に方法は無い。

将来発生することを心配するのは、事故を心配して外に出ないようなことと同じ。いくら心配したところで事故の危険性は排除できない。ジタバタしても変えようがない。

このような人でも、上司との関係性が構築できて、後輩からも慕われる人物なら、そこそこの出世が見込まれる可能性が高い。これが仕事の摩訶不思議ということか。本書は「決断力」に特化したテクニックが紹介されている。 社内で評価されるには「決断力」の構造を理解しておきたい。心当たりのある方には早めの処方をおすすめする。

PS

拙著『即効!成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)は、発売2週間で3刷と好調です。応援していただいた皆さまに御礼申し上げます。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所・研究員