「高輪ゲートウェイ」選考過程に疑念あり

2018年12月05日 11:30


昨日、JR東日本が発表した山手線の新駅名「高輪ゲートウェイ」を巡っては、発表直後にネットで騒ぎになったように違和感も大きいが、それよりも選考過程に疑念が尽きない。

・公募数で決めるものではないとはいえ、「高輪ゲートウェイ」は130位にランクインした「泡沫候補」に過ぎない。数の上で見ても6万を超える応募総数のうち、1位の「高輪」が8398件だったのに対し、「高輪ゲートウェイ」はわずか36件。

・そもそも応募は自由記述形式であるのに「高輪ゲートウェイ」という明らかに不自然な名称を36人も<集団投票>していたのは奇妙としか言いようがない

公募時のリリースによると、JR東日本はこれまで駅名を公募したことがない。社内でそういう提案があったという突然変異があり得なくはないが、お役所体質のJRが前例がないことを半世紀ぶりの山手線開設でわざわざやるのは考えづらい。おそらくキャンペーンを仕切った広告代理店の入れ知恵だった可能性がある。

もちろん、代理店が主導するのは別に構わないが、ありがちなのは、地元の意見を表層的に聞いただけの「話題作り」に力点が置かれ過ぎてしまい、利用者や地元に愛されるという本来の目的がおざなりになってしまうことだ。

この手の「公募」案件が炎上しがちなのは決定プロセスに透明性が欠けるためだ。ネット上では「出来レース」だったと疑う向きもある。例えば、新駅の存在理由となっている再開発構想「グローバル ゲートウェイ 品川」の名称に連動させることありきで、JRやデベロッパーなど開発者側の関係者による「組織投票」を行い、「高輪ゲートウェイ」のエントリーがあったという事実を作ることは理論上は可能だ。

オリンピックのエンブレム騒動もあった中で、まさかとは思うが、週刊文春や週刊新潮あたりが投票した36人の誰かに接触し、万が一、そうした「疑惑」を裏付けるような証言をするようなことがあれば、違法性がないとはいえ、企業倫理を根本的に問われかねず、大衆性の強い話題であることから考えても一大炎上案件になってしまうだろう。もちろん「高輪ゲートウェイ」の駅名撤回どころでは済まず、責任者の進退問題になり得る。

さすがにそんな裏がないのだとしても、「ゲートウェイ」という言葉を最初から使いたかったのであれば告知すべきだったのではないだろうか。記者会見の一問一答がネットに出ていないのでなんともいえない部分があるが、今朝まで報道されている限りでは、JR担当のときわクラブ記者たちからのツッコミが甘かったようにしか思えない。

いずれにしても選考過程が不透明であることに変わりはない。誰が最終決定して、なぜ泡沫候補の名称案が採用されたのか。

新駅名が一転して「高輪ゲート」などとどこかの国の大統領の疑惑を彷彿させるような展開にならないためにも、JR東日本の詳細な説明が要求されるところだ。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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