米国ABCニュースはアップルウォッチが心房細動を見つけて命を救ったと伝えている。要旨は次の通りである。
バージニア州の46歳男性は、夜寝る前に、アップルウォッチから心臓の異常を警告された。朝起きてもう一度試すと心房細動との警告が出た。疑心暗鬼のまま病院に出向き、本当に心房細動だと診断された。幸い投薬で回復したが、放置すれば死に至るところだった。
21世紀医療法(The 21st Century Cures Act、2016年成立)に基づき、米国連邦政府FDA(Food & Drug Administration、食品医薬品局)は革新的な医療ハードウェア・ソフトウェアの認可を加速させている。
アップルは、FDAから今年9月にECG App(心電図アプリ)の認可を取得した。その内容は「アップルウォッチに使用できる、モバイル用を意図したソフトウエア」である。第4世代のアップルウォッチにこの機能が搭載され、男性の命を救ったわけだ。
わが国では同様の認可はおりていない。だから、わが国では高精度の心拍センサーを搭載としかPRできない。低心拍数と高心拍数の通知はできるが、心房細動の警告は出せない。
新技術を積極的に認可するFDAに比較してわが国行政は消極的である。健康医療分野での市場競争力に悪影響を与える恐れがあるが、それ以上に、新技術で人の命を救う機会を失うのは残念だ。