高額チケット転売規制法、ユニバーサル社会推進法など

石破  茂  です。
臨時国会も閉幕し、補正予算や本予算編成に向けた諸会議が続きます。

#転売NO 公式サイトより:編集部

臨時国会においては、先の通常国会で成立させられなかった、高額チケット転売規制法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)、ユニバーサル社会推進法(ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律)の二本の法律が議員立法として可決・成立致しました。

いずれも私が議員連盟の会長を務めているものですが、実際にご尽力頂いた山下貴司議員、盛山正仁議員をはじめとする皆様に心より感謝申し上げます。

高額チケット転売問題は数年前から課題となっていたものですが、保護法益は何か、実効性をどのように確保するのか、主務官庁はどこか、などの議論が続き、今日に至りました。「どんなにおカネを払ってもあのコンサートに行きたい!」という思いは、一種「被害者の承諾」にも似たものではないのか、などと当初は思っておりましたが、悪徳業者が儲けるだけで、アーティストにも興行主にも何の利益もなく、社会的不正や青少年の非行の温床にもなってしまっているのが現状で、法施行後に大きな効果が現れることを期待しています。

ユニバーサル社会の実現は、当選4回の時、衆議院運輸委員長を務めていた時からかかわっているのですが(当時はバリアフリーと言っていました)、国交省、厚労省、総務省、農水省、内閣府など幾多の官庁が関わっているため、「総合的で一体的」な推進が難しいという問題がありました。省庁横断的な会議体を創設し、法律の名称通り、KPIやPDCAが機能するようにしたい、というのが眼目です。実際、ユニバーサル社会の実現状況は各地域や障がいの種類によってかなりのばらつきがあり、今後予想される大災害などにおいてハンディを持った方が極めて厳しいに立場に置かれかねません。

どちらの法律も、「法律が出来たからこれでよい」ということには当然なりません。議員連盟としても今後の実施状況を注視してまいります。

防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画も決定を見る運びになりました。高度化・複雑化し激変する安全保障環境、厳しい財政事情、人口急減や少子化による募集環境の悪化など、日本の課題が集約されたような面があります。シェルター整備を含む国民保護の観点やグレーゾーン事態への対応関連の整備など、なお詰めておきたかった課題はいくつか残りましたが、今後国民に向けたより丁寧な説明が何よりも重要であると考えています。

先週、「分身ロボット」の「オリィ」「オリヒメ」を使って、頚髄損傷やALSなどで障害のある方が自宅に居ながらにして接客をするカフェを日本財団で見学してまいりました。

報道でご存じの方も多いと思いますが、やがては自分の介護を自分の分身ロボットがしてくれるようなことも実現可能性があるとのことで、障がい者雇用や介護の世界を劇的に変える技術に深い感銘を受けました。

週末は鳥取二区で来年の統一地方選に向けたいくつかの集会、自民党鳥取県連学生部での講演、地元経済紙の対談企画、どんどろけの会クリスマスパーティなどの日程が入っております。

寒さが急に増してまいりました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2018年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。