都議選まで2年半、都議の支持率調査を公開

こんにちは、都議会議員の鈴木邦和です。今年1月5日〜6日にかけて、武蔵野市内の私の支持率などについて電話調査を行いました。こういう調査は通常表には出さないのですが、なかなか興味深かったので思い切って公開することにしました。

初めに、調査対象と手法についての確認です。今回は、私の地元である武蔵野市内の電話帳登録世帯にランダムに電話をかけての調査になります。よって回答者の年代層が極めて高く、下図のように60代以上が82%を占めています。あくまでも武蔵野市内の主に高齢者世代への調査という前提でご覧ください(サンプル数は500です)。

Q1.小池知事の支持率

昨年7月のJX通信社の調査では、小池知事の支持率は55.3%でした。JX通信の調査と手法も対象も異なるので一概には比較できないですが(JX通信社の方が調査の正確性は高いです)、今回の調査では知事の支持率は58%という結果でした。小池知事の支持率は昨年より安定傾向にあります。

Q2.都政における支持政党

都政における支持政党・会派について議席順に質問したところ、自民党31%、立憲民主党20%、都民ファーストの会8%、共産党8%と続きました。武蔵野市の政治的な傾向は大きく2つの特徴があります。1つは、立憲民主党・共産党などのリベラル勢力が極めて強い支持を受けてきたこと。そして、もう1つは、いわゆる無党派層が極めて少ないということです。

今回の調査と同じ手法で別の自治体で行った調査では「支持政党なし」の回答者が50%に達していました。先ほどご紹介したJX通信社の都内全域の調査でも、無党派の割合は50%を超えています。武蔵野市では、この無党派層が26%と少ない代わりにリベラル政党が歴史的に支持を受けてきており、第三極にとっては受難の地域でもあります。ちなみに武蔵野市の1人選出選挙(市長選・都議選)で、第三極が勝利したのは2017年の都議選が54年ぶりです。

Q.鈴木都議の支持率

私の支持率は19%でした。先ほどの支持政党の設問とのクロス分析をすると、都民ファーストの会の支持層の方々から概ねご支持を頂き、自民党、公明党支持層の一部の方々も支持して下さっています。しかし、実際に都議選時の対抗馬との比較調査だとより厳しい数字になります。先の設問のように自民・立憲民主で51%の支持があるため不支持率の改善はなかなか難しいかも知れませんが、現時点で「わからない」と回答されている37%の方からいかにご支持を頂くかが今後の政治活動のポイントです。

Q.都政レポートの配布率

支持率調査と合わせて、私が毎月発行している都政レポートについても、今後の内容や配布方法を改善していくために調査しました。都政レポートを毎回概ね読んでいる方は8%、たまに読んでいる方は17%で、合わせて25%という結果でした。これは想定よりも高い数字で、届いているが読んでいない39%も含めると、全世帯の64%には配布していることを認識頂いていることになります。単純に計算すると、武蔵野市内の全人口14.6万人のうち9.7万人に毎月届き、1.2万〜3.7万人が毎月読んでいるという現状です。

Q.統一地方選の投票先

最後に統一地方選の投票先についても調査しました。都民ファーストの会の「都政における支持率」は8%という結果でしたが、統一地方選の投票先としては2%でした。都政では都民ファーストの会を支持していても、市政では別の政党という方は多く、党として基礎自治体選挙を戦う上での課題の一つです。いずれにせよ、この数字を基に戦略を練り直していくことになります。

以上、武蔵野市内の電話調査の結果をご紹介しました。私がこの時期に調査をしたのは、主にこれまでの政治活動の効果検証が目的でした。政治家にとって、日々の政治活動の効果を定量的に測るのはとても難しいため、新年会に200件行く、地域のイベントに全部出席、戸別訪問1万軒など、ひたすら活動量を上げるという戦略になりがちです。

私はその活動自体を否定しているのではありません(SNSにはあまり投稿しませんが、私自身も大抵の活動はやっています)。そうではなくて、自分がアプローチすべきターゲットはどこにあり、どんな活動なら効果が高いのか、マーケティングと効果検証を繰り返すことが重要だと考えています。

いまの政治家の地元活動はあまりに労働集約的であり、この環境下では男性議員が多くなるのは当たり前です。女性やスペシャルニーズの方にとっても働きやすい業界となり、議会の多様性を確保することで、より市民ニーズに近い政策を進められるように、政治家の働き方についても試行錯誤を続けていきたいと考えています。


編集部より:この記事は東京都議会議員、鈴木邦和氏(武蔵野市選出、都民ファーストの会)のブログ2019年1月10日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は鈴木氏のブログをご覧ください。