パチンコの換金をなくす方法について

ども宇佐美です。
昨日の記事に関する反響がそれなりにあったので続き(のようなもの)です。


パチンコに関する評論を書くとすぐに、「パチンコ自体をなくせ」とか「換金(三点方式)をなくせ」とかいった意見がくるのですが、前者はまぁ無理筋なのでともかく、後者について簡単に私見を述べておこうと思います。

・結論から言えば「パチンコの換金をなくすことは可能」ではある。ただし時間はかかる。

・そもそもパチンコには換金の文化はなく、獲得玉とタバコやハンカチやティッシュなどの生活用品の景品と交換するのが主流だった。それが技術進化でパチンコのギャンブル性が上がるにつれ、1950年ごろから処理しきれないほどの景品が獲得できるようになり、客が景品を持て余すようになってきた。

・そこに目をつけたヤクザが、獲得した景品を客から買い取り、店に買い戻させて、サヤをとる、という商売を始めた。特にタバコがその対象になった。タバコの販売は違法行為だったが、この仕組みは、ユーザーにとっても、店にとっても、ヤクザにとっても経済的に利益があった。そのため全国に一斉に広がった。

・つまりパチンコの換金の文化を作ったのは、行政側ではなく民間側である。

・現在の三店方式は、こうした換金利権からヤクザを排除するために大阪県警がパチンコ業界とともに作り上げたものである。細かいことは省略するが、三店方式を用いれば、同じ景品が同じ店に戻らないのでヤクザを排除することができる。

・要は「景品に交換しきれないほどの遊技玉を獲得してしまうから換金のニーズが生まれる」ということである。つまり、ニーズがある以上、三店方式をなくしたところで換金はなくならず、おそらくまたヤクザが跋扈するようになるだけのことである。それよりは三店方式があったほうが「まだマシ」であろう。

・逆に言えばパチンコのギャンブル性を下げて、景品交換程度の球しか獲得できなくなればおそらく換金のニーズは減っていき、徐々に換金の文化が廃れていくと思われる。ただし今のパチンコはギャンブル性があまりにも上がりすぎたため(この経緯は複雑なのでまた別途書く)、ギャンブル性を下げるにしてもそれ相応の時間がかかる。

詳しく知りたい方は私の新著でも読んでください。(結局宣伝)

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2019年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。