『日曜報道 THE PRIME』を見た

2019年04月07日 16:00

新田編集長が6日にアゴラにお書きになった『日曜報道 THE PRIME』を見た。もっともサンモニも日曜討論も後で見ようと録画した。リアルタイムの視聴率がどれだけの意味を持つかは疑問なものの、録画だとCMを飛ばし早送りをして3分の1程度の時間で見ることが出来るのでたいへん重宝だ。

日曜報道 THE PRIMEより:編集部

さて、そのTHE PRIME、櫻井よしこさんと石原慎太郎氏の話はどれもこれも実に興味深かった。松山俊行キャスターのことも含めて以下に筆者が番組を見て思ったことを書く。

石原氏が一帯一路に関連して世界中で中国人のハーフが増えているといえば、これを受けて桜井さんは「アフリカにおける中国人混血児時の増加」を憂慮した。そんなこと筆者は露ほども考えたことがなかったのでなるほどと膝を打った。一人っ子政策で3000万人も適齢期の男性が余っているから、との話はいわれて見れば実に腑に落ちる。

何かにつけ台湾に結び付けて恐縮だが、17世紀以降の台湾もこれと全く同じ構図だった。というのも明朝も清朝も倭寇や海賊への対策で海禁策を布き、漢人が海外に出ることを禁じていた。17世紀初めに台南を占領したオランダ人は福建から大量の漢人苦力を奴隷同然に入れ、平地に住む原住民(平埔族)の土地を奪って耕作させた。苦力は無論すべて男性。

鄭成功一族による反清復明の短い時代を経た後の200年余りの清朝による統治時代も、台湾への渡航は大半の期間は男子のみに許された。先住の反清漢族と結びついての反乱を恐れ、家族を人質として大陸に住まわせたからだ。

その結果、起こったのは平埔族と漢人との混血だ。漢人女性が圧倒的に少なく、偶さか平埔族に入り婿の慣習があったのだからそれも自然の成り行きだ。そうでなければその後の台湾の人口増は全く説明が付かない。蔡英文も客家と平埔族の血を引いている。

石原氏の話では「プーチンの中国嫌い」の例え話が印象深かった。筆者は先日投稿した「『在野』の近現代史研究家が『ダレスの恫喝』原文を読んで考えたこと」で「(日露平和条約の)さらにその先を無責任に予想すれば日米露安全保障条約の締結だ」と書き、その根拠の一つを「ロシアにとって長い国境を接せする中国の脅威の方が米国のそれより大きい。日米と組む方が得」と書いたからだ。

石原氏は「プーチンが中国人はハエのようにすぐ増える」と述べたという。偶さか筆者が昨晩寝床で読んだ本にハエの話があったので余計に印象的だった。その本の名は『大森実 戦後秘史 9講和の代償』(講談社1976年刊)。

その中に、朝鮮戦争で北朝鮮の捕虜になって満州などを連れ回され、3年後に奇跡的に生還したディーン少将への大森実のインタビューが載っていた。ハエの部分を引用する。

大森 三年間の収容所生活のうちに、四万二千匹の、なにしろ大量のハエを殺されたということを書いておられますね。

ディーン 収容中は時間を持て余しますわね。北朝鮮のハエはものすごいんですよ。私の部屋のすぐ前に便所がありましてね。扉が開いているんですよ。夏になると、もう、ものすごいハエの数です。殺人的でした。・・ハエを生きたまま捕虜にすることも考えましたね。・・何かをしないと私はいずれ死んでしまうと思ったから。・・やろうと思えば人間何でもできる訳です。

トイレの扉といえば、筆者は台湾屏東でゴルフをした時に韓国人客と出くわしたことがある。冬の韓国は寒くてゴルフが出来ない。そこで暖かい台湾南部に遠征という訳だ。で、彼らが扉を半開きで用を足しているのにびっくりしたのを思い出す。傍若無人な彼らをキャディーも嫌っていて、私の組のキャディーは彼らのキャディーを気の毒がること頻りだった。

石原氏の「あんなだらしのない国はない」とのイタリア評も傑作だった。私もこの国の人の芸術やセンスは買うが、その根性と節操のなさには呆れていた。何しろあっという間に降伏したと思ったら最後は日独に宣戦布告までしたのだから。一帯一路になびくのも宜(うべ)なるかな。

そして松山キャスター。BSフジのプライムニュースはさぞやり辛かったことだろう。前任の反町理はなんせ超個性的だった。が、当初こそ不評を買っていたものの次第にペースを掴んだということで今回の起用となったのだろう。筆者は彼の憎めないピントのズレ振りは嫌いじゃない。

一帯一路に対する安倍さんの4条件を「面従腹背」といって2人に振ったのも巧まざる効果を生んだ。それでこそ桜井・石原の「この4条件は安倍さんが芯から考えていることだ。中国が出来るなら良いではないか、でも出来っこない」という趣旨の発言が引き出せた。記者としてのキャリアは反町に劣らないらしいので今後に期待したい。

ただし、他の週替わりキャスターの名を見ると木村太郎氏は良いとしても、岡本行夫氏や三浦瑠璃氏に筆者はあまり期待しない。産経グループの関係なら古森義久氏や黒田勝弘氏、高山正之氏あたりなら、今朝の桜井・石原同様に興味深いコメントや分析が聞けるのに、と思うのだが。

最後に余談で反町理氏の話。筆者は半世紀前に横浜の某予備校でアルバイトをしていた。そこで1年浪人した関係で大学進学後も模試の採点や小6の指導をした。そのバイト仲間のクラスの生徒に反町君がいた。めでたく栄光学園に入ったところまで知っていて、半世紀後にBSフジで見たという訳だ。彼の番組の切り回しは実に秀逸だった。

高橋 克己 在野の近現代史研究家
メーカー在職中は海外展開やM&Aなどを担当。台湾勤務中に日本統治時代の遺骨を納めた慰霊塔や日本人学校の移転問題に関わったのを機にライフワークとして東アジア近現代史を研究している。

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