主流派経済学者が日本の消費増税に反対

2019年05月23日 15:00

ブランシャールがFTのインタビューで「日本は消費増税をやめるべきだ」と提言した。

元IMFチーフエコノミスト、オリヴィエ・ブランシャールの急進的な新しい政策提言によると、日本は財政均衡を忘れて、無限の将来まで財政赤字を出すべきだ。彼は日本が今秋に予定されている消費税の引き上げを中止し、その代わり新たな財政刺激で赤字を増やすよう要請した。

この提言のもとになっているのは、きょう発表された(田代毅氏と共同執筆の)政策提言で、日本経済のデータを分析し、こう結論している。

中立金利が非常に低い環境では、たとえ金融政策がゼロ金利で制約されていない場合でも、財政政策が重要なマクロ経済的役割を担っている。現在の日本の環境では、プライマリー赤字を続け(たぶんそれを増やし)、今より高い債務水準を受け入れる強い理由がある。プライマリー赤字は需要とGDPを維持し、金融政策の負担を軽減し、将来のGDPを増やすことができる。

Wikipediaより

この提言は今年1月のアメリカ経済学会会長講演の延長上にある。これまでにもブランシャールは「日本には財政赤字が必要だ」という趣旨の発言をしていたが、消費増税に直接、言及したのは今回が初めてだ。

ブランシャールはIMFで財政タカ派路線を主導してきたが、最近の長期停滞についてはサマーズと同じく一時的な現象ではないと考えている。日本のマイナス金利はGDP速報値のような短期的な現象ではなく、世界経済の構造変化を反映するものだというのが彼の意見である。

これはMMTのような陳腐な話ではなく、主流派エコノミストによる最新の理論とデータにもとづく提言だ。日本政府はこれを真剣に受け止め、財政政策を根本的に考え直す必要がある。

追記:FTの記事は正確ではなく、ブランシャールは消費増税をやめろというのではなく、「消費増税を延期して財政危機に備える財源にしてはどうか」と書いている。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 学術博士(慶應義塾大学)

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