「5G」電波の有効利用へ 新しい解決策【言論アリーナ概要】

2019年05月29日 06:01

2020年から我が国で本格展開される第5世代移動通信システム「5G」。24日に放送した言論アリーナでは、現在は自民党行政改革推進本部事務局長および情報通信調査会事務局次長を務め、前総務大臣政務官でもある小林史明衆議院議員山田肇ICPF理事長をゲストに招き、政策的観点から見た5G時代の可能性について池田信夫・アゴラ研究所所長と討議した。

現行の4Gより超高速・大容量となる5Gは、IoTや自動運転など第4次産業革命を支えるインフラだが、小林氏は「いちばん面白いのは“低遅延”」と言う。都内の視察先から神奈川県内にある建設機器をリアルタイムに動かした事例を紹介しながら、「5Gというと携帯(電話)の話になりがちだが、産業全体が大きく変わる」と述べ、B2Bで起こる“ゲームチェンジ”のインパクトを強調した。山田氏も「自動運転の時代、制御が遅れると衝突があるかもしれない。(その意味でも)遅延がないのは決定的に重要」と述べた。

5Gの遠隔医療実験の視察をタブレットで説明する小林氏

一方で5Gを普及させる上で避けられないのが電波の割り当て問題だ。5Gの割り当ては法改正により、次回からオークション方式に変更する。小林氏は「諸外国のような競り上げ方式ではなく、入札方式なので金額が上がりすぎることはない」と述べ、オークションの懸案である法外な高騰は避けられるとの見方を示した。

これに対し、山田氏が「金額で決めるオークションと違う意味になる」、池田が「日本はこの20年で周回遅れになった」とそれぞれ厳しい見方を示したが、小林氏は、楽天の参入で新しいサービスの可能性が出てきたことや、日本の特性であるカバーエリアの広さを生かすことを挙げ、「社会課題に使わないといけない部分はオークションでいただいた部分(お金)を使えるとプラスの解決につながる」と期待を込めた。

「5Gを本当に普及したいなら欧米のように600〜700MHzの周波数帯を使うことも考えないといけない」と指摘する山田肇氏

ただ、オークションは参入方式の手段に過ぎず、国民の貴重な資源である電波の限られた範囲をどう有効利用するかがポイントだ。携帯各社に割り当てられた5Gの周波数帯は高めで、米通信大手T-モバイルがテレビ局から電波を譲渡されたように、区画整理を行なって、テレビ局が持つ「プラチナバンド」の有効活用も選択肢に挙がるが、日本では暗礁に乗り上げている。

その要因の一つに、オークションで既存の局から電波を取り上げることは世界的にやっていないのが事実なのに、取り上げられると誤解されていることがありそうだ。池田は「テレビ局が持っている40チャンネルを新しい人とシェアする仕組みを作る。テレビ局にもメリットがある方法を考えた方がいい」と提言した。

「テレビ局の方々に、いかに理解してもらうかが最大で唯一の問題」:池田信夫アゴラ研究所所長

小林氏も「世の中の皆さんから見て、そこを区画整理したときにどんな素晴らしいものができるかを合意する方が実は重要。ゴールイメージと解決策をパッケージで示していくことができるかどうかにかかっている」と指摘。

電波を圧縮させてBS放送の新規枠を設けた「技術的な解決策」と、楽天などが参入先となる防衛省の帯域の“引っ越し代”を負担した「費用面の解決策」を活用した取り組みも参考になると示した。

(議論の詳細は、言論アリーナ 「5G時代、どうなる電波改革」をご覧ください)

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