トランプは中国に自由化・民主化まで妥協するな

2019年05月27日 11:30

中国の根本問題は、①人権軽視、②市場閉鎖、③民主化の遅れ、④地域自立権の否定の4つだ。対外的な問題としての膨脹主義も加えて⑤としてもよい。

トランプ氏ツイッターより:編集部

いまトランプや欧米は、この際、これらの問題を一気に変えさせるために妥協しないつもりのように見える。もちろん、どこまで徹底できるか分からないが、今をおいてチャンスはあるまい。

それは、世界が後進的な野蛮国家に牛耳られることを甘受したくないなら、短期的な景気への影響など気にせずに戦うべきことだし、それは、中国人のためにも望ましいことなのだ。

ここ数日、中国を巡る少し刺激的な2つの投稿をFacebookにしたらいろんなコメントをいただいて感謝している。

私の投稿のひとつは、上記のような中国に対して超タカ派的なものだが、もうひとつは、天安門事件について、欧米や日本でいわれているような規模の大虐殺はなかったし、中国の指導部が学生の反乱を抑えたのも正しい判断だったというものだ。

少し議論のために激しい表現で書いているので、賛否両論のコメントをいただいているし、ふたつの一見、正反対の立場表面に戸惑う人も多い。しかし、これは社会人になってから通商産業省の官僚やプロの物書きとして40年余り、また、少し早熟気味に小学生の頃から時事問題に興味を持ってそれなりの知識を持って考えていた時期も含めれば60年近く中国を観察してきた立場から言えばごく自然なことなのだ。

建国以来、中国はそれなりに安定して発展していたが、1960年頃に劉少奇らの路線でゆるやかな自由化に傾きかけたが毛沢東は文革でこれを阻止した。私はこれは間違った判断であったと思う。同じく自由化に傾いたフルシチョフを排除したソ連は、立ち直る機会を持たないまま崩壊へ向かっていった。

それに対して、中国は鄧小平が無秩序な混乱を避けるための制御をしっかりしながら改革開放に成功した。もし、天安門事件でいい加減な趙紫陽が勝ったら中国の今日の成功はなかったと思う。

あのとき、中国にとって拙速な民主化や経済のバブル化は最悪だったし、それを阻止したのは間違いでなかったと思う。しかし、世界第二の経済大国になって、アメリカを抜くことも射程距離に入ったいまは、時期尚早でもなんでもない。

過去の中国の指導者は、将来ともに民主化・自由化しないなどとはいわなかった。ところが、習近平は特色ある中国の社会主義こそが到達点だと言い出した。これは困るのである。まして、世界一の大国になって世界がそれを要求することさえ無理なときになってわめいたところで手遅れだ。だとすれば、いまこそが、勝負どきなのだ。

中国はいまや共産党一党独裁をどう終わらせる期限を切るべきだ。日本は「明治14年の政変」で10年後の国会開設を約束し、9年後に憲法を発布し、約束通り10年後には自由選挙による国会を具体化したのである。中国の政治はすでに日本に130年遅れている。いい加減にしたほうがよい。

経済にしても、現在の中国の先端産業分野での躍進は、投資や企業活動の規制や術移転の強要、知的財産権の保護の不十分さによるものだ。これまではそういう手段で追いついてくるだけだが、このままの体制で追い抜かれてはたまったものでない。

言論報道の自由も含んだ人権についても、欧米や日本の水準での制限以上のことは許されるべきでない。

いまハーウェイが議論されているが、「中国が自国でグーグルやフェイスブックを使わせずに外国でハーウェイに搭載させろというのは図々しい」というのは当たり前であろう。少なくともアンドロイドの搭載をさせることにするなら、グーグルやフェイスブックへの規制も撤廃させて海外の情報に中国人が自由に触れられるようにすることを条件にすればいい。それはなにもドラスティックな無理難題の強要でないと思う。

④の「地域自立権」だが、ソ連が解体したのにどうして中華人民共和国は別なのか理由が説明できない。中国民族とかいうのは民族でない。台湾や香港も独立の自由はあるはずだし、チベットや東トルキスタンにとって独立もそれなりに選択肢であるべきだ(欧米や日本にとって「ひとつの中国」原則は外交上の問題として信義は守るべきだが、それは積極的に台湾や香港煽らないという意味で、自立に反対するという意味ではない)。

そして⑤、南シナ海や東シナ海、また、周辺に対する膨脹主義は凍結すべきだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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