川崎事件「テレビとゲーム機押収」フジテレビ報道が大炎上

川崎市でカリタス小学校の児童や保護者19人が殺傷された事件で、フジテレビ(FNNニュース)が30日夕方、神奈川県警が市内にある51歳の男の自宅を家宅捜索し、テレビとゲーム機が押収されたことがわかったと報じた。

「特ダネ」ではあるようだが、特定の押収物を強調する報じ方に、ネット上では「ゲームやマンガのせいにするのか?」とフジテレビの報道に非難が噴出。一夜明けた31日朝の時点で、ツイッターのトレンドでは、「テレビとゲーム機」がダントツの14万件超(31日9時時点)がツイートされる騒ぎになっている。

批判の急先鋒の一人が、前回の参院選で表現の自由を守ることなどを訴え、ネットを主体にした選挙戦で野党の個人候補者では最多となる29万票を比例区で獲得した山田太郎氏(夏の参院選は自民党比例区から出馬予定)。「あえてゲームとテレビのみを切り出し、記事ではゲーム機をことさら強調し、あたかも犯罪と紐付けるような報道は認めるわけにはいきません」と抗議の意思を示し、9時時点のRT数が27,000を超える大反響を呼んでいる。

山田氏のツイートにフォロワーからは

犯人宅では新聞を3紙も購読していた事は報道されないんだろうな。

などと報道の「切り取り」を揶揄する意見など批判の声が続々と寄せられた。

さらに山田氏を超えるRT数5万の反響があったのが、「にこでここ」さんのツイート。「犯人の家には冷蔵庫もあったのでは?電子レンジとかポットも…それに白米を食べていた恐れもあるし、ましてやパンを食べて生活していた可能性もあるし、新聞なんてものを読んでいた暁には大問題だ。規制も視野に入れなければならないと思う」などと、報道を痛烈に皮肉った。

元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞氏も「ヤバイ!うちにもテレビとゲーム機がある。おそらくフジテレビの記者たちの家にはテレビやゲーム機はないのであろう。それはそれで、おとろしいのおお。」と、皮肉をたっぷりと込めた。

先日、ツイッターで「マスゴミ」と一度ツイートして削除する騒ぎのあった国民民主党の玉木雄一郎代表も「今回の凶行は絶対に許されない。ただ自宅にテレビやゲーム機があって何か問題があるのか。偏見を助長することにもつながりかねない、こうしたマスコミ報道はいかがなものか。」と再び報道姿勢を批判した。

この騒ぎには「身内」からも批判的な意見が出ざるを得なかったようだ。フジテレビ時代に数々のバラエティ、情報番組のディレクターを歴任し、昨年4月からバズフィードジャパンで動画統括部長を務める福原伸治氏は「このタイトルで炎上することがなぜわからんのか。無神経極まりない。古巣ながら本当に情けない」と嘆いた。