ドイツで「台湾と国交を」の署名活動

2019年09月24日 11:30

海外中国メディア「大紀元」が20日で報じたところによると、今年5月、ドイツの国民が台湾との国交締結を請願する要望書をドイツ連邦議会に提出したという。今月18日時点で1万人を超える国民が署名した。署名数が来月9日までに5万人を超えれば、連邦議会は審議に入らなければならない。

national-flag.comより:編集部

ドイツ連邦議会(Deutscher Bundestag)の公式サイトの Petitionen 欄をクリックすれば、請願書の詳細が掲載されている。同請願書は今年5月31日付でドイツ連邦議会に提出されている。請願書タイトルは「台湾との外交関係の樹立」(Aufnahme von diplomatischen Beziehungen zur Republik China=Taiwan)だ。請願の理由について、概要を紹介する。

今年は天安門事件発生から30周年にあたる。同事件では平和的にデモを行っていた数千の国民が殺害された。彼らの多くは戦車に轢かれ、遺体は水路に流され処理された。この事件の責任は中国共産党政権にある。

中国政府は多くの国と外交関係を樹立し、国連加盟国でもあるが、人権を蹂躙し、国民を再教育収容所に閉じ込め、閉鎖している国だ。世界的に稀な監視・検閲国家を建設し、東南アジアとの領土紛争では国際法を無視してゴリ押しをしている。そのような国とドイツ政府は外交関係を樹立し、貿易を行っているのだ。

1949年以来、中国は2カ国存在する。中国と台湾だ。これは蒋介石率いる中国国民党と毛沢東が引率する中国共産党の間の内戦の結果だ。2カ国は国連加盟国だったが、中国共産党政権が1972年、台湾を国連から追放した。国際法に全く合致しない決定だ。カイロ宣言(1943年)で、米英両国は中国に台湾の返還を約束したが、国際法に基づくものではない。

看過できない点は、国連は東西両ドイツを認知し、南北朝鮮の2カ国に対しても同様に認知していることだ。台湾は1987年以来、民主主義国家として発展してきた。台湾は中国共産党政権とは異なり、民主国だ。にもかかわらず、ドイツが台湾を認知せず、人権を蹂躙している中国共産党政権を認知していることは理解できない。われわれはドイツ政府に台湾との国交樹立を要求する。

一方、中国は21日、南大西洋のソロモン諸島と北京で国交樹立の共同文書に署名している。その結果、台湾と国交を締結している国は15カ国になった。中国のメディアによると、台湾と国交を断絶したキリバスも近く中国と国交を結ぶという。台湾で台湾独立志向の民進党・蔡英文政権が発足して以来(2015年5月)、台湾との国交を断絶した国は7カ国となった。中国外務省の耿爽副報道局長は20日の記者会見で、「世界には一つの中国しかなく、中華人民共和国政府が全中国を代表する唯一の合法的政府だ」と強調している。

ところで、メルケル独首相は今月5日から3日間の日程で訪中したばかりだ。同首相の訪中はこれで12回目だ。その主な目的は中国との経済関係の強化だ。具体的には、中国からのビッグ商談を獲得することだ。メルケル首相の訪中にはドイツ産業界からフォルクスワーゲンやBMWなど同国経済を代表する企業代表が常に随伴した。

メルケル氏12回目の訪中(独連邦首相府公式サイトから)

ただし、メルケル首相は今回、李克強首相との首脳会談で香港のデモ問題に言及し、「武力衝突が生じないように、平和的な解決を期待する」と要請し、英国と北京政府間で合意した基本条約(1984年)に言及し、「中国に完全統合されるまで、香港国民の権利と自由は保障されなければならない」と強調、香港政府とデモ参加者の対話推進を求めている。

なぜならば、ドイツ国内では、メルケル首相の訪中に対し、様々な注文が飛び出してきたからだ。例えば、野党自由民主党(FDP)が、「一国二体制を明記した1984年の英中声明を遵守するように訴えるべきだ。中国が1989年の天安門事件のように、武力で香港市民の平和的デモを鎮圧するようなことがあれば、ドイツを含む欧州は黙っておれない」と強調するなど、対中関係の見直しを求める声が与野党からも出てきたからだ(「メルケル首相の12回目の訪中は?」2019年9月8日参考)。

中国は7月、2019年版「国防白書」を発行したが、新華社は同白書の重点について「中国は必ず台湾を統一する」と記述した第1項を掲げていた。中国共産党政権が台湾を武力統一する野望を強めていることが分かる。

ドイツ国内で中国共産党政権の実態を理解する国民が増える一方、民主国家の台湾の認知を求める国民が出てきた。分断国家だったドイツで台湾の認知を求める署名活動が始まったという事実はそれ故に注目されるわけだ(「台湾の『世界保健総会』参加を認めよ」2019年5月18日参考)。

ウィーン発『コンフィデンシャル』」2019年9月24日の記事に一部加筆。

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