陸自が2種類の8x8装甲車を導入するホントの理由はこれ?

2019年09月25日 06:00

陸自は間隔を少し開けて、共通戦術装甲車系列と次期装輪装甲車系列の2種類の8輪装甲車ファミリーを導入する予定です。

現行の96式装輪装甲車の後継が検討中(Wikipedia:編集部)

共通戦術装甲車系列は16式機動戦闘車に随伴するもので機動連帯に配備され、歩兵戦闘車型、偵察型、120mm自走迫撃砲が調達される予定です。公式見解ではまだ車種は決まっていないことになっていますが、実際は16式ベースのMHIのMAVに決定しています。

この導入の経過は極めて不透明です。他に候補なんてなかったでしょう。

対して次期装輪装甲車系列は96式装甲車の後継であり、APCと野戦救急車が調達される予定です。
候補はMAV、パトリアのAMV、GDのストライカーとなっております。

陸幕の説明では前者は16式に随伴してウエポンシステムを搭載する目的、後者は人間を運ぶものということになっております。

これ、そのまま信じていいですかね?
これが8輪と6輪とか4輪なら分かるんですが、両方とも8輪です。しかも要求される能力に大差はないように思えます。実際次期装輪装甲車系列の候補にMAVが入っています。語るに落ちたとはこのことではないでしょうか。

ぶっちゃけ、1車種でいいでしょう。そうすれば量産効果が効きますから調達単価も、教育、維持メンテコストも低減できます。

これはぼくの想像ですが、共通戦術装甲車系列ははじめからMAVに決まっていて、次期装輪装甲車系列はコマツに決まっていた。つまり、装甲車メーカー2社に等しく仕事をふるつもりだった。

ところがコマツの試作車の出来があまりも悪かったので、これがキャンセルになった。しかもコマツは事実上、装甲車ビジネスから撤退します。そこでこれもMAVに振りたいところだが、そうなると2つの装甲車両を別個に調達する建前がつかない。

そこで急遽、形ばかりの競合入札を行うことにした。
こんなところではないでしょうか。そうであれば本命はMAV。
外国の候補は当て馬。そうであれば外国メーカーをバカにした話です。こういうことをやると空自のインチキ競合同様、防衛省の体外的な信用を大きく毀損します。つまりは国益を害します。

更に申せば96式の後継って簡単に決めていいんでしょうか。
今後軽装甲機動車と高機動車の統合後継も導入される予定です。
軽装甲機動車は事実上陸自の主力APCです。

こんな1個分隊も乗れない4人乗りの軽装甲車をAPCにしている胡乱な軍隊は他にありません。

本来軽装甲機動車と96式の後継を統合すべきです。
こういうことを考えていないのでしょうか。

自分たちの不始末をごまかすような、組織防衛が目的の調達であれば大変問題であります。

■本日の市ヶ谷の噂■
米英など他国では5.56mm分隊支援火器の後継には、セミオートの小銃を導入するトレンドにあるが、陸自は5.56mmMINIMIの後継は、何も考えずに5.56mm機銃で更新予定でHKがMG4、FMはミニミMkIIIを提案。よせばいいのに住友重機も自社開発機銃を提案との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2019年9月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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